プレゼンテーション1w

デモをしている香港市民に言いたい事。

香港デモのニュース

香港のニュースを毎日見て心配している。

デモの様子が毎日テレビから流れてくる。警察官が発射したゴム弾が目に当たって失明の懸念があるデモ隊の女性の映像がしばしば流れてくる。

一方で中国本土のメディアの男性がデモ隊に囲まれ襲撃を受けたというニュースも。その時に男性が叫んだとされる「我支持香港警察。你们可以打我了!(私は香港警察を支持する。お前たち、さあ俺を殴ればいい!)」このセリフが中国のSNSで拡散されている。

加えてBBCや人民日報、新華社通信からの媒体からもこの騒動を見ている。

香港の価値が下がっている

2019年の6月上旬から始まった香港でのデモ活動。

当初は「逃亡犯条例改正案」に対する反対活動だった。黒い服を着た香港市民が見慣れた香港の中心街で集まっていた。その時は世界は穏やかだったし、香港のデモ隊を支援していたような雰囲気だった。

しかし「逃亡犯条例改正案」がいったん取り下げが決定すると、デモ隊の要求は大きくなり始める。立法府への侵入と破壊活動、警官との武力衝突が起き始め、デモが中央政府関係の施設にまで及び始めると状況は一転、今や国際空港が機能停止に陥るなど実質的に香港の価値が毀損されている。7月下旬からの香港反戦株価指数も呼応するかのように急落している。

香港を憂う若者が利用されていないか

私は若者が利用されていないかが心配だ。人権の側面ではこれだけが気になる。いつもデモの先頭にいるのは若者だ。そして、その裏には統率している人がいるはず。若者の国を憂う純粋な心が、誰かに利用されているとしたらそれは許せない。

香港の主権は1997年にイギリスから中国に返還された。その時に社会主義政策を将来50年(2047年まで)にわたって香港で実施しないことを約束している。つまり、やがて香港は中国本土の自治の管轄になる事が約束されたのだ。あと30年もしないうちに中国の一部となる。となりの深センや広州と同じ中国の一級都市になる予定なのだ。

香港が社会主義の一部になることが約束されていると思えば、では、民主の国に行きたいと思えば移住すればいい。その自由は与えられている。しかも「すぐに明日から」という話ではない。1997年に変換されてから50年間の猶予がある。なぜ、若者のような、まだ香港において何も持っていない人がリスクを背負う必要があるのか、私は理解できていない。

むしろ、香港が社会主義の国の一部になるのを一番反対しているのは、いま香港において利権を握っている人だろう。不動産は移動できない。不動産を多く持っている人は、それは心配だろう。中国では個人が土地を所有することはできない。代わりに、国から数十年単位で「借りる」という建前になっている。

何もない若者は、むしろ自由に移動し易いはずだ。これは私の想像だが、海外に既に移住している香港の不動産保持者が、自身の資産の保護を目的に若者を利用しているのではないか。

香港のいまの政治体制

香港政府トップの行政長官は現在、1200人からなる選挙委員会で選出される。この人数は有権者の6%に過ぎず、その構成は中国政府寄りだ。

立法会の70議員の内、直接選挙でえらばれるのは半分の35議席。有権者によって選ばれた議員の中には、忠誠の誓い(「中華人民共和国香港特別行政区への忠誠」というもの)を正しく述べることを拒否したり、「香港は中国ではない」と書かれた旗を掲げたりしたことで、議員資格を剥奪された者もいる。

正に、香港は完全な民主的な政治を謳歌しているのではなく、中央政府の影響を受けながら、「一定の自治権」を得ている状況だ。

潮目が近い

当初はデモへの支持が多数派だった情勢が、潮目の変わり目が訪れている気がする。権力側と反体制側の衝突。それは何も珍しいことではない。どちらが正しいかではなくて、どちらが勝つかという問題だ。本当に信念をもって自分の意志で行動を決めて実行する人を尊敬する。しかし、誰かに扇動されて自身を犠牲にしてしまっている若者には立ち止まってほしいという気持ちがある。そして、客観的に言って、香港は好きだし、中国も好き。Googleを使える中華圏として最愛の香港と台湾を、私は都合よく利用していたわけだ。願わくば、当地の人たちの幸せが実現されますように。

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