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中国のマイナンバー制度みたいなやつ

中国は人民をどれくらい管理しているのか

中国語を二年近く勉強してきたけど、これまで全然気にしたこともなかった。そういえば、社会主義を標榜している中国が人民をいかに管理しているかという仕組みについて、関心が無いと言ったら嘘になる。どうやっているのか。

初めてその存在を気にしたのは中国に旅行に行って、天津から北京まで高速鉄道の乗って移動しようとした時だった。

改札の職員が「***を見せてください。」と言ってきた。切符のことだと思って見せると「それじゃあない。」と言ってくる。「shenfenzhengを見せなさい。」と言ってくる。私はその単語を知らない。「shenfenzhengは何だ?」と聞いたままの音をオウム返しすると、職員はそこで初めて私が外国人であることを認識した。そこで外国人用の改札に案内し、「パスポートを見せて下さい。」と言われたので見せると、何事もなかったように改札を通過することができた。

shenfenzhengとは何か?

後で調べたら「身份证(身分証)」のことだった。中国人なら全ての人が持っていて、携帯が必須で、高速鉄道に乗る時には見せる必要があるという。カードには個人を特定する番号(マイナンバー)に加え、名前、性別、民族(!)、生年月日、住所が書かれており、ICチップが埋め込まれている。中国人が遠くに移動するときにはこの身分証によってどこにいるのかがコンピューター上で管理できるようになっているのだろう。まさに社会主義×AIの神髄を見る心地がした。AIによってかなり容易に人民の管理ができるのだろう。犯罪を犯せば逮捕歴がこのマイナンバーに紐づけられるのだろう。いや、知らんけど。「きっとそうだろう」という予想です。

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民族が明記されている

中国は多民族国家であるというnoteを以前書いた。

公式では中国には56の民族があるという。大多数は漢民族だ。「汉」という漢字が「漢」に相当する。中国の多くの人の身分証の民族のところに「汉」と書かれている。

私は以前、中国人の友達に対して「中国人は自分の出自の民族を知っているのか?」と聞いたことがあるが、「当然知っている。」という答えだった。皆がいつも携帯している身分証に自分の所属民族が書かれているのであれば、それは「当然知っている」ということだろう。中国人は中国が多民族国家であることを当たり前に認識している。日本で「私は大和民族です。」とは言わないから、やはり中国の国家観と日本の国家観には差異がありそうだ。「帝国」という熟語が中国にはよく似合う。


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