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火山が好きでジオパークを巡っているの(3)洞爺湖有珠山ジオパーク③

火山合宿の1日分が3回に分けないと書き切れないって、さすが洞爺湖有珠山ジオパークね。
どうも、火山好きの間熊田マリよ。今回は流れ山を後にして、ようやく本丸ともいえるジオパークらしいところにやってきたわ。

これ、廃墟にしか見えないと思うけど噴火の災害遺構なの。有珠山はだいたい20〜50年おきに噴火を繰り返している火山なんだけど、その最新噴火が有珠山頂の西側山麓で2000年に起きた「2000年噴火」よ。

温泉街近くで起きたから連日大々的に報道され記憶にある人もいるかしら? マリはまだ小さかったから憶えて…嘘よ、大きかったから憶えているわ。道路がひしゃげ、街がハチャメチャになったのだけど、1万6千人誰ひとり被害者を出さなかったの。それはやはりこの地に暮らしてきた経験と知識が役に立ったのよね。住民が過去の教訓をしっかり受け継いでいたからなのよ。

ジオパークのジオサイトにはこうした説明看板がある

で、ここは「旧 とうやこ幼稚園」。その「2000年噴火」の遺構よ。ここからたった600mしか離れていない地面が割れて「マグマ水蒸気爆発」っていう噴火が起こったの。この屋根や壁に空いた穴、窓ガラスが割れているのも全部そのときの噴石が落ちてきた跡よ。

私はここに何度か来ているんだけど、前より緑が増えた気がしたわ。なんだか斬新な見せ方の植物園みたい(笑)こうした植物の種は動物が運んできたそうよ。動物も雨をしのいで用を足したいのかな?

22年で何もないところに何もしなければ林になり、壊れてしまった人工物はどうにもならない…。きっとこの遺構も新しいうちは被害の大きさを物語っていただけだと思うんだけど、時間を経てから考えさせられることもあるわね。
(ちなみに、建物が見えにくいから木を切りますか?なんていう意見があったそうよ。遺構で何を伝えたいかってそれぞれ価値観の差があるわよね。みんなはどう思う?)

ビジターが歩けるよう下草は刈っている

上の園庭にポツポツ大きな石があるでしょ。小さいものはだいぶ片してしまったそうだけど、それらは火口から飛んできた噴石よ。よかったわ、園児たちはちょうど春休みだったんですって。先生たちも噴火の前日までに避難していたそうよ。有珠山は噴火前にちゃんと予兆示してくれる火山なのよ。しかしながらこんなの降ってくるなんて悪夢以外なにものでもないわ。さすが噴火ね。

落ちた力で少しクレーターみたいになっている

もう一度下の園庭の写真見てほしいんだけど、なにか気づかない?写真を撮っている私がいる背後が山(火口)のほうよ。

どう?なんとなく斜面になってるの分かるかしら。緩やかにこっちのほうが上がっているでしょ。もっと分かりやすいのがこちらの写真よ。これは園児のプール。

横から見るとより分かるわ。たまたま雨だったからさらに分かりやすくてラッキーね。プールをわざわざこうして作ることないわよね。

これはすなわち地面が傾いたってわけ。少し難しくいうと地盤の隆起よ。噴火するときって山の中のものが押し合いへし合いしたり、膨れたり萎んだりするの。勢い余るとそれが飛び出たり割れたり落ちたりしちゃうのよ。しばらくいい感じで落ち着いていたのに噴火するの内心面倒くさいなぁって思ってる山もあるんじゃないかしら。

この「旧 とうやこ幼稚園」を含む、噴火した西山火口を展望できる散策ルート(西山山麓ルート)は、洞爺湖有珠山ジオパークに来たら是非歩いてほしい代表的ルートよ。噴火って身近!って思えるはずよ。

運動靴で歩けるよ

地図上にはないけどビジターセンターと、その裏にある「金比羅山麓ルート」(地図右側の青線)と「西山山麓ルート」を繋いで巡れば「2000年噴火」を肌で感じられると思うわ。このセット、マリのおすすめ。

さて、災害遺構の話ばかりじゃ皆んながしんみりしちゃうから最後は火山の恩恵のほうを紹介するわね!
 
この日の夕食を江川ガイドイチオシのレストラン「幸来(さっくる)」さんでいただいたの。畑のなかにポツンとあって、隠れてはいないけど用がないと行くことのない場所にあったわ。自宅兼、畑兼のファームレストランといえば想像つきやすいかしらね。

かわいくてテンション上がるわ

貸切で予約していただいたの。お酒の提供はないのだけど、持ち込みは可だったわ。

自宅に招かれたような雰囲気

いただいたのは野菜のフルコース!
いったい何種類あるのかしら…これでひとり3000円って破格よ。

実際よりおいしそうに撮れていなくて悔しいわ。サラダ一皿にいくつも手を変えたものがあってびっくりよ。

こちらは江川さんの写真を拝借したわ。こんなふうにひとつの野菜ごとに手間ひまをかけた品が一皿に乗り、一皿ずつ丁寧に説明付きで運ばれてくるの。つい自分が台所に立つことを想像してしまうから、この手間のかかり方には手を合わせて拝みたくなるわね。

で、案の定このあたりから写真がないのよ(笑)お見せできなくて申し訳ない。ぜひ予約して続きを確かめに行ってね!
気まぐれな食堂 幸来 (あらま!7/22現在休業中〜)

でね、このお野菜たちのほとんどがレストランの周りで自家栽培なんですって。聞いたことのない野菜もあったわ。こうしてたくさんの野菜が育つ肥沃な大地があるのも有珠山のおかげなのよね。麓を平らに埋め尽くしてくれたから畑にもしやすいしね。

おや?突然カナさんがお土産を配りだしたわ。これ、なんだか分かる?

軽い!かるんかるん!

なんと福徳岡ノ場の軽石よ!沖縄とかに流れ着いて厄介者にされていたやつよ。
これらはカナさんの住む伊豆大島に流れ着いたもの。いまいちばんフレッシュな軽石〜♪産まれたて〜♪マリ大喜び。我々火山好き界隈では喜ばれたけど、皆んなはもらったら困るかしら?いろんな嗜好があって楽しいわよね。

軽石もらって喜ぶ人たち

次回は洞爺湖有珠山ジオパークを離れて、近くの火山の「色」を感じに行くわよ。またね〜

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