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ウィルスミスと理系問題

土曜の朝、コーヒーを飲みながらTwitterを見ていると、部屋で宿題をしている娘の『もーやだー』という悲鳴が聞こえてきた。
娘は春から塾に通い始めている。勉強をしないで、土曜の朝からTwitterを眺める大人になってはいけない。

部屋へ行くと娘はベッドに顔を伏せて『分かんないー!』と足をバタバタさせている。
机の上で開かれているのは理系の問題集で【次の□の中にあてはまる数字を書き入れましょう。また、どのようなルールでならんでいるか説明しましょう】というもの。

この手の問題は学校でやってないようでどうしたらいいか分からなく、どこから手をつけてよいか分からないそうだった。
数列の変化の法則を見つけていくことに興味をもてないとこの手の問題が苦手になるだろう。

僕はそれまで見ていたTwitterを見せた。

「これはウィル・スミス。これはwii、これはクリス・ロック。これはクリス・ロックがウィル・スミスにビンタをくらっているところ」
娘が顔は上げてケータイを覗き込む。問いかけてみる。

「ビンタをしたときの音は?」
『パン?』
「うん。じゃあその隣の拳で机を叩いた音は?」
『ドン?』
「そうだね。読んでいくと?」
『ドンドンパン?ドンドンパン?』
「うん。これは?」
『Wii?ウィル・スミス?』
「ウィルでいいよ」
『Will?ウィル?Wii?』
「次は?」
『クリス・ロック』
「ロックでいいよ。続けると?」

そこで娘の頭の中でもあの曲が流れたようで歌い始めた。
続けて画像の中の1つを隠して聞いた。
「ここに入るのは?」
『ウィル』
「そうだね、これは前後がwiiだからウィルが入るんだね。そしてあの曲を知っているから分かるんだ」
娘がうなずく。さっきまでのいじけた気分は晴れたようだ。

「この問題に置き換えると、□そのものを考えても駄目で、前後でどんな変化があるか、そしてそれを通して、どんな曲になっていそうかが分かるとこの□に何が入るか分かるんだ。一緒にやってみよう」

娘が机に戻って1,2問一緒に数列の変化とそこにどんな法則があるかを考えると、『あっなんか分かったわ』と言って残りの問題を解き始めので僕はまたTwitterを開いた。

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