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完璧な親なんていない

Schooアドベントカレンダーの16日目のエントリーです。
Schooも30代のメンバーが増えてきました。結婚し、最近子供が生まれた方もいます。

THIS IS US

私も5歳と0歳の子供がいて、30代中盤に差し掛かっているのですが、最近夫婦で『THIS IS US 36歳、これから』というこの秋から、NHKで放送されているアメリカのドラマにハマっています。 年始に第1話から連日放送があるようですので、逃げ恥もいいですが、こちらも是非。

恋愛、家族、仕事…。人生の岐路に立つ36歳の男女のせつなく心温まる物語。生きているって大変だけど、すばらしい! 国を超えて誰もが共感でき、勇気づけられる! 涙と笑いと感動のヒューマンドラマ。アメリカで大ヒットした話題作が日本初登場!

誕生日が同じ36歳の男女3人。自分が演じる役に嫌気がさしているイケメン俳優、“脱肥満”を目標に努力する女性、幸せな家庭を築いているエリートビジネスマン。置かれている状況も性格もまったく異なる彼らには、同じ誕生日以外にも共通点があった…。それぞれが人生の壁を乗り越えようとする中で、大切なものを見つけだす。そして、3人の運命の糸がたぐりよせられる。

36歳を迎える3人の兄弟の物語と、彼らを育てた両親の物語です。
兄弟3人が36歳を迎えた現在、それぞれに抱えている葛藤と、彼らが体験してきた過去、そして彼らを育てた両親の物語が描かれています。
現在と過去を行き来しながらドラマは進んでいきますが、秀逸な脚本と編集が素晴らしく、ストレスなく複雑な物語を楽しむことができます。

「THIS IS US」で描かれているのは、いずれも不完全な登場人物の姿です。その不完全さに悩みながら、コンプレックスを受けいれたり、誰かを許したりして生きていきます。

成長とは何か

人事の仕事をしていると頻繁に「成長」という言葉を聞きますし、自らも口にします。「最短・最速で成長する」とか、「成長に結びつくか」とか。
ここで語られる「成長」のイメージは右肩上がりにまっすぐに伸びていくようなものです。ビジネスパーソンとしてのある限定的な範囲の中で語られているように感じます。

では「人間の成長」という点でいえば、上記のような右肩上がりの、あるいは「成長しよう、させよう」と意図されたものとは必ずしも一致しないのではないかと思います。
子供が大人になっていく時。親がその役割に悩む時。何かを許して飲み込む時。こうした痛みや傷や清濁様々なものを、受け入れて、乗り越えていく—とどこかで「覚悟」を決めたときにそこに一人の人間としての「成長」が現れてくるのだと思います。このあたりの話は、今回の「Wired」で、哲学者・國分功一郎と医師・熊谷晋一郎のそれぞれのインタビューの中で語られていた「Human Fate」の話にも近いように感じます。

完璧な親なんていない

2012年の秋に長女が生まれました。妻は妊娠が分かってから様々な手続きを進め、病院の予約や変化していく体調関する情報を集め、自分の母親に話を聞くなど、もの凄いスピードで「母親」になる準備を進めていきました。

翻って「父親」になる私は、何もできることがありませんでした。本屋へいっても「父親」になるためのマニュアルはありません。そして何より自分の父親に具体的にどうすればいいかと聞けることもありませんでした。

そんなときに知り合った方から紹介いただいたのが、「完璧親なんていない」という「カナダ生まれの子育てテキスト」です。移民の多いカナダで新たに親になる人に配布されるテキストです。0歳から5歳までの子育ての様々なケースに関して、「その年齢の子供はこういうものです、なのでこうしましょう」「こういう方法がある」というパターンを紹介しています。

この本の凄いところは、「子供が中心」の本ではないことです。子育てをする親の心身のコンディションが良い状態であるための内容になっていることです。詳細は本を是非読んでいただきたいのですが、本の一番最初の章に書かれていることがすべてを語っています。

親だって人間です。親とは、子どもと自分のためにに精一杯努力している人のことです。親も人間であることに変わりありません。

この一行からすべてが始まり、親がどういう状態でいるのが、結果として子どもとって良いのかーということが書かれたあとに、年齢ごとの子どもに対する接し方につながります。我が家では座右の書として、その時々に読んでいます。

受け継がれにくい「父親になる」経験

「父親になる」ということは身体的な変化も経験しないため、非常に曖昧なものです。どこでその運命を受け入れる覚悟をするかというところ以外無いようにも思います。

冒頭の『THIS IS US』で三兄弟が誕生する際に、父親は医師からこういわれます。(言い回しはうろ覚えです)

「人生で酸っぱいレモンを手に入れたとする、どうすればこのレモンをレモネードに変えることができるだろう?」

これはD・カーネギーの「道は開ける」の中で出てくる言葉からのものだと思いますが、ここでも「fate」という言葉が使われていました。

When fate hands you a lemon, make lemonade.

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