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台風が去った週の話

水曜日

水曜日、保育園へ登園して息子の体温を測ると37.7度で、次回登園したときに楽なよう持ってきた着替えを「新幹線」の札のつけられた息子の箱に入れて保育園をあとにする。
先生は「最近お熱でお休みする子が多くて」という。

電動自転車のハンドルの前につけられた椅子に息子を乗せて、後ろには小1の娘を乗せて国際通りを三ノ輪方面へ走る。
娘は前日から左目が腫れていて、二人を連れて眼科へ向かう。

眼科が開くのを待つ間に、スマホでオンライン面談予定だった方にWantedlyから連絡したり、ランチ予定だった方にTwitterで連絡して時間をずらしてもらったりリスケをする。
娘と息子は眼下に併設する薬局の子ども用スペースでポケモンの本を読んだりしている。
診察すると娘の目は「ものもらいになりかけ」という状態で抗生剤と目薬と塗り薬をもらった。
家に帰り二時間目から登校する娘に抗生剤を水と一緒に飲ますと顔をしかめて「まずいね」と言った。

そのまま僕は自宅でリモートで仕事をしながら息子をみていたが、息子の熱はどんどん上がって39度台が続いた。翌日、翌々日になっても40度近い熱が続いていて、妻や義母に代わってもらい出勤した。

土曜日

今朝になると息子の熱が下がったので「電車見に行く?」と聞くと少し枯れた声で「うん」と返事をするので、電動自転車の前の席に乗せた。

東京スカイツリーを背中に言問通りを走る。鶯谷下からを左に曲がって新坂を登っていく。坂を登る途中ペダルを漕いでいると息子は自分は何もしないのに「うんとこしょ、どっこいしょ」と繰り返す。
坂を登りきると鶯谷駅南口でタクシーが数台止まっている。
橋の下には10か11くらい線路が見えて、山手線、京浜東北線などがひっきりなしに行き来する。

「パパ、けいせいすかいらいな、きたね」

息子の声で、一番外側の線路を見ると成田エクスプレスが上野方面へ走っていく。ビルの合間に曇り空を突き刺すようにスカイツリーが見える。
京成スカイライナーは8月末に家族旅行で海外へいくのに成田空港へ行くときに乗ったもので、息子は特急を見ると「けいせいすからいな、のったね」と口にする。

しばらく電車の行き来を見ていると「でんしゃ、もういい」と息子が言うのでそのまま自転車で上野公園へ向かう。
国立博物館の脇を通ると「三国志」展のポスターに載っている関羽像の写真を見ると息子は「おこってるねー」と笑って後ろを向いた。

そのまま動物園で好きな象とカバを見て、園内の東と西をつなぐモノレールに乗って、帰ってきて妻の実家へ向かうための荷造りをしていると、息子はいつの間にか寝てしまっていて、出発を少し遅らせて、これを書いていると、今「パパ、お水のむ」と起きてきた。


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