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顔出し動画

 授業用の動画は,たいていKeynoteの「プレゼンを記録」で動画にしている。この方法だと,スライドに音声がついた形になる。
 ただ,半分非対面の授業を1年間やってみて,文字や図版のスライドに声がついているだけというのは,見ている学生さんにとっての私の存在感とでもいうべきものが弱いのではないかという気もしていた。スライドだけではなく,顔も見せるべきではないか,と。別に見せびらかしたいような出来のいい顔でもないし,顔を売りたいわけでもない。ただ,そこで生身の人間が語っているというシチュエーションを意識して作らないと,授業に必要な要素の欠落が増えてしまうのではないかと感じたのだ。
 それで,そのための方法について情報収集してみた。
 例えば,Zoomの録画機能。これはスライドやホワイトボードを画面共有して,その脇に自分の顔が映る形で録画ができる。多分これは一つの選択肢になる。ただ,授業がオンライン中心になった最初の頃にZoomを使った授業があまりうまくいかなかったことが印象に残っているのか,他に方法があるなら授業でZoomは使いたくない,というような気分がある。
 ググってみると,PowerPointのWindows版はプレゼンテーションの記録時にカメラ入力をスーパーインポーズした動画を作成できるらしい。だがMac版はそれができない。
 Keynoteでもそれは無理で,スライドの動画と別撮りした顔の動画を編集ソフトで合わせてやるという手間がかかる。
 そうやってあれこれ情報を漁っているうちに,OBSというアプリを見つけた。Open Broadcaster Software,動画配信用のアプリケーションである。これは生配信で使うこともできるようだが,録画もできる。
 試しに使ってみた。コンピュータのディスプレイの内蔵カメラと,キーノートのスライド画面を「ソース」として指定してやる。画面上の大きさや位置などを整えて,準備OK。授業動画を1本撮ってみた。
 録画を終了すると自動的にファイルが保存されるらしい。最初はそれをかなり探し回ったが,「ムービー」フォルダの中で見つけた。ただ,そのファイルの拡張子が「mkv」となっている。あまり見慣れないものだ。
 こいつを開くことに失敗して,もう一度OBSに戻って設定を開いてみると,保存するファイルのタイプを選ぶことができることがわかった。これを「mp4」に設定して,同じスライドをもう一度動画にした。今度はいつもの授業動画と同じように扱えるようになった。使えそうだ。
 というわけで,顔出し動画をもう一つ二つ作ってみようと思う。

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