元カレのマネージャーになってみた話 第1話
あらすじ
20歳のなおは、仕事も遊びも恋愛も楽しい毎日を送っていたハズだった。しかし突然の不幸、おまけに彼氏の浮気が発覚し途方に暮れる。「付き合おうなんて言ってないよ」「俺、色んな女の子と遊んでみたいんだ」呆れる…だが、訳あってそんな彼のお世話をすることになるのだが。
第一話
今から13年前の話。なお20歳
私は専門学校を卒業して、田舎の小さい企業だが、自分入りたかった会社に就職できた。
土日休みで、休みはカレンダー通り。
休みの日は友達とドライブしたり、就職と同時にはじめた1人暮らしを満喫していた。
ある日曜日の朝。携帯が鳴った鳴った。
メール。彼氏のユウトだ(後の元カレ)
その当時まだガラケーを使っている人も多く、インスタはまだなくて、SNSはmixiや前略プロフィールが主流だった。
“仕事終わったよ”
夜勤終わりの連絡だった。
ユウトは5個上の27歳。介護士として施設で働いている。
勤務は三交代制。日勤の日は少なめ。主に夜勤メイン。
正直、顔はめちゃくちゃかっこいいわけではない。
雰囲気イケメン。今でいう塩顔。
背も170センチぐらい。古着を着こなしていた。(昔流行ったCHOKiCHOKi系)
出会いはいたって普通で、2か月前に参加した飲み会で意気投合して付き合ったって感じ。
連絡はマメにしてくれるし、時間がある時はお互い家に行き来して、付き合いたてのいっちばん楽しい時を過ごしてた。
仕事も、恋愛も何もかもが好調で充実した生活を送っていた。
が。
不幸は急に訪れた。
少しずつ仕事に慣れはじめた6月半ばの月曜日。
朝出勤すると様子が変。
私が一番の若手なので毎朝誰よりも早く出勤しているのだが、やけに社内ががらんとしてる。
(何もない…え!?泥棒?!)
あたふたうろうろしていると、続々とみんな出勤してきた。
「え!?!?どういうこと!?」
「警察に電話!」
みんなパニック。
とりあえず金庫が無事か奥の部屋に確認に行くと、
金庫のあった場所に張り紙が
“みんなすまん!”
(おいおいおいおいおい🤣)
筆ペンででかでかと書いてあった。
社長は夜逃げしたらしい。
みんな唖然。
上層部の人たちがとりあえず確認するからみんな帰ってと。
不安な気持ちのまま家に帰ろうとしたが、どうも落ち着かず。このままユウトの家に行こうと考えた。ユウトがちょうど夜勤で帰ってくる時間なので、ちょうど会えるかなー?なんてかるーい気持ちで向かっていた。
ユウトの家に着くともう既に車があった。
ユウトの車はワーゲン。SUVで大きめなのですぐわかる。
「帰り早いなー!ピンポンしておしかけちゃお♡」
なかなか新しめのアパート。201がユウトの部屋。
ピンポーン♪
出てこない。でも部屋の中から音が聞こえる。
(ん、、鍵があいてる?)
ガチャ
家に入ろうとすると目の前にユウトと見知らぬ女が。
「…は!?ユウトどういうこと!?」
「てかなんでお前いんの!?」
「ユウトくぅーん、この女はなに???」
一緒にいた女は私とタイプ真逆な超ギャル。
小柄でくりくりの大きいかわいい目。
「ユウト!!!!説明してよ!!!」
「……えっと、うん、あ、うん。」
「ユウト!!!!!!」
「あ、とりあえず3人で朝飯でも食べに行かない?」
ユウトはにっこり笑った。
嫌なことって重なるんだよね。
なお。職も恋人も両方失う日。
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