子ども向けプログラミング体験会をやってみて

対象年齢:小学3年生~6年生、8名
仕様教材:Scratch、LEGO MindStorms EV3
講義時間:90分

◆◇ 今回の目的 ◇◆
今後の、プログラミング教室開講に向けた知見と実績を得ること。
今回は90分の体験会のため、難しいことは極力お膳立てしてとにかく「楽しい」と思ってもらい興味を持ってもらえることを目指した。
保護者の方にも同席してもらい、子供たちの様子を見てもらった。
最後に、保護者向けに、今後の文科省の指導要領や現状についての説明を5分ほど行い、今後開講予定のプログラミング教室の、本教室の考え方について説明した。


◆◇ プログラムの組立て ◇◆
順次、反復、条件分岐の要素を織り交ぜた最小単位のプログラムを作成する。
スプライトのネコの動きがブロックを重ねるごとに変わっていく様を、子供たちの実際の組み立て作業を通して実感してもらう。
最初の機械的な動きから、よりリアルな動きに近づけるために、「どうすればいいかな?」と問題提起を誘導し、そのために様々なブロックを組み合わせることを繰り返すことで、簡単な論理的思考のサイクルを回す。


◆◇ 子どもたちのパソコン操作(様子) ◇◆
[マウスの扱い]
・クリック、ダブルクリックはできる。
・ドラッグ&ドロップも教えればすぐにできるようになった。
・ブロックの付け外しは、慣れれば難なくできるようになった。

[キーボードの扱い]
・学校ではキーボードの使い方は習っている。
・半角/全角、大文字/小文字の区別がついていない。
・日本語入力モード、英数字入力モードの切り替えを知らない。
・ローマ字入力に違和感を感じている子どもはほとんどいなかった。
・ただ、ローマ字自体になれておらず、「どうやって打ち込むんだっけ?」と止まってしまう子どももいて、急きょローマ字入力表を配った。


◆◇ 講座化に向けての考察 ◇◆
・キーボード入力に少々手こずったが、単に経験量の問題かと思われる。
・やりたいことはわかっているが、キーがどこにあるかを探すのに時間がかかるなど、単に手が追い付かない様子だった。
・実際の教室開講時は、タイピングゲームなどを活用して、継続的に打鍵の訓練をする必要がある。
・半角/全角、大文字/小文字の区別は、時間をかけないと、なかなか子どもたちには伝わらないと感じるが、必ず教えておく必要はある。
・次のステップに進む際に、前のステップの作業に没頭し、次の説明を聞き逃してしまう子もいる。
・そのため、意図しない動きになってしまうなどハプニングが相次いだ。
・ただし、決してネガティブなことを言わないように努めた。
 ハプニング発生時に、
  ⇒「へぇ!そんなことができるんだね!大発見だね!」
  ⇒「間違えちゃったけど、こういうことができるってわかってよかったね!」
  ⇒「そんな動きするなんて先生も知らなかったよ。」
・講師に慣れてくると、次々に「先生、これ見て!」攻撃が始まり、全員に目が行き届かなくなるので工夫が必要。
 (小学校教育のプロに、その辺の教室運営のノウハウを聞いてみたい。)


◆◇ その他雑感 ◇◆
・従来の学校教育では、みんなが同じ答えを導くことをゴールとしているが、プログラミングは、図画工作の作品作りのような指導アプローチが必要。
・ただし、製作プロセス、成果物、それぞれ、「感性」ではなく、しっかりとプログラミングの要素を的確に組み立てているか、評価する必要がある。

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