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世界遺産検定1級についての覚書

受験にあたり、1級の概要を確認してみました。基本情報ではありますが、それぞれの情報について考えたことなども添えてまとめておきたいと思います。1級受験を考えている方がおられれば、参考にしていただければと思います。

受験資格:2級認定済

 世界遺産検定は、2〜4級については受験資格がなく、誰でも受験可能です。しかしながら1級からは下位の認定を受けた上での受験が必須となります。2級から1級へは急に難易度のハードルが上がっているので、受験する人はある程度の覚悟をもって臨めということでしょうか。
 世界遺産検定に限らず、こうした検定はなるべく受験の障壁は少ない方が良いと個人的には思うのですが、後述するように1級の認定率は高くないので、やはり飛び級できるほど1級は甘くないぞと、段階的に学びを深めてもらう検定側の配慮が伺えます。

開催頻度:年2回(7月上旬・12月上旬)

 こちらも、2〜4級が年4回開催であるのに対し、その半分しか実施されないということで、1級は下位級とは一線を画しているといえます。確かに受験者数と開催コストを考えれば、年4回も開催するメリットは薄いでしょう。ただ受験者側からすると、この開催頻度、というより開催時期が意外と曲者かもしれません。教員である僕の立場で言えば、「夏休み前」「冬休み前」というこのタイミングは結構忙しい時期で、直前の対策をしたくても時間の捻出に苦労しそうな印象です。逆に「8月・1月」開催だったらすごく都合が良かった。このあたりは学生や社会人、子供がいる家庭持ちなど、それぞれで事情が変わってきそうです。

受験料:10,900円

 これは正直、「高い!」と感じました。参考に、その他の諸検定の検定料金と比較してみても、やや高い印象を受けます。2級でも6,500円なので、そのあたりにこの検定のプライドを感じます。

漢字検定 1級 6,000円
歴史検定 1級 7,800円
ビジネスマナー検定 1級 7,800円
TOEIC  7,810円

「日本の資格検定」HPより

ただ、受験料が高額な分、受験する側としてはそれなりの覚悟をもって受験勉強に励むことができますし、資格そのものにも箔がつくと思います。

補足:これまでは9,900円でしたが、昨今の社会情勢を受けて第52回検定(2023年7月)より改定となったそうです。

https://www.sekaken.jp/wpcontent/uploads/6889160ab7664309b951bd21c53e6ffc.pdf

試験時間:90分

 これも、(他の検定についてはあまり知りませんが)検定にしては長いのではないでしょうか。大学受験で国公立の二次試験を受ける時くらいの時間です。ただ、後述するように問題数が多いので、このくらいの時間はむしろ必要です。集中力が続くかどうかがポイントですね。

問題数:90題(マーク式)

 90問とはなかなかの問題数です。全てマーク式とはいえ、時間あたりで考えたら1問1分というペースでの解答が要求されます。これはなかなかキツい。あんまり解答に悩んだり迷ったりできないので、やはり事前の学習でしっかりと知識を定着させておく必要がありそうです。

満点/合格点:200点/140点

 90問で200点ということは、おそらく2点問題が70問、3点問題が20問といった感じでしょうか。どの問題が高得点問題なのか、過去問などを確認して効率的に学習する必要もありそうです。
 合格点は140点。7割正解で合格。これは認定のハードルとしては標準〜やや易しいという印象です。個人的には9割での認定を目指したいが、そう甘くはないでしょうね。ちなみに、合格ラインが明確に7割とされていますが、認定者が規定数に満たない場合は得点調整があり、受験者の20%は必ず合格するようになっているみたいです。

出題範囲:全ての世界遺産

 さて、ここからが一番大事な話。200点の内訳です。項目別に見ると以下のようになっています。

① 基礎知識         50点(25%)
② 日本の全遺産       40点(20%)
③ 世界の全遺産       90点(45%)
④ その他(時事問題など)  20点(10%)

世界遺産検定アカデミー公式HPより

このような配点ですが、問題自体は個々の遺産を個別に問うのではなく、登録基準や遺産同士の横のつながり(地域やテーマ)を重視したものになっているそうです。また、世界遺産委員会の結果(④に該当します)も出題される可能性があり、これについては公式テキスト外の知識を問う問題だそうです。
 これをどう捉えるかは人それぞれだと思いますが、やはり鍵になるのは、①の「基礎知識」と②の「日本の全遺産」でしょう。覚える知識量と配点比率的に、最も効率よく点数が稼げる部分であり、逆にここで落とすと③・④で間違えられないので、かなり厳しい。③は日本以外の1,000を越える遺産が範囲ですし、④もテキストだけでは学習できないという点がネック。
 合格だけを狙っていくならば、④はあわよくば解きたいという「捨て問」で①・②を徹底的に、③は感心の高いテーマや地域を中心に学習していくというのがオススメだと思います。  

認定率:2割程度

先ほども言及しましたが、得点調整等で認定者は2割(20%)を割らないようになっているみたいです。

26.3%(2021年度)  申込者数 3,629名→954名認定
20.4%(2019年度)  申込者数 1756名→359名認定
20.6%(2018年度)  申込者数 1926名→395名認定

世界遺産検定アカデミー公式HPより(一部筆者加筆)

2022年の受験データがまだ公開されていませんでしたが、2019・2018年度がそれぞれ20%ギリギリであったことを見ると、点数調整はけっこう頻繁に行われているかもしれません。いずれにせよ、やはり一筋縄ではいかないのが1級ですね。

まとめ 

 1級の基本データを見てきましたが、まとめると

「1級、なめたらアカン」

という感じでしょうか。決して超難関というわけではないでしょうが、しっかりと対策しなければ認定されないという印象です。10,000円払って受験するからには、やはり何としても認定されたい。というわけで、覚悟を新たに受験計画を練っていきたいと思います。


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