日本学術会議問題 川内博史(立憲民主党)VS菅義偉内閣総理大臣 2020年11月2日衆議院予算委員会 文字起こし

川内博史(立憲民主党)VS菅義偉内閣総理大臣 2020年11月2日衆議院予算委員会
https://www.youtube.com/watch?v=-vWXhplZlQ8&t=1s
※冒頭から12分40秒まで
下記の書き起こしを参考にさせていただきました。
●日本学術会議問題、6名追加任命へ。菅首相の決定的な国会答弁。|馬の眼 ishtarist @ishtarist #note https://note.com/ishtarist/n/nff2051f4e363

●金田勝年委員長
川内博史くん。

●川内博史議員
菅総理大臣以下、閣僚の皆さんや霞が関の皆さんも、よろしくお願いします。川内博史でございます。
今、総理、今井議員と総理とのやりとり、あるいは官房長官とのやりとりでですね、手続きに若干、不備があったのではないかということが明らかになったわけでございますが、この学術会議の会員の任命、あるいは6名を任命しなかったという問題は、これもう、総理しか解決できない問題ですよね。なぜなら、日本学術会議法に、総理が任命すると書いてあるから。
さらに、学術会議法の7条1項は、「学術会議は210名の会員をもって組織する」と書いてあって、総理は累次、「学術会議は政府の組織だ、政府の組織だ」と、こうおっしゃっていらっしゃるので、210名の会員にする責任も、総理は負ってらっしゃるわけでございまして、他方で日本学術会議が、「この6名を任命してください」と言い続ければですね、推薦されている人以外を任命することは、法的に絶対できないので、欠員がずーっと続くと。これは政府としてですね、やってはならないことだろうと。総理大臣としてやってはならないことだろうと、いうふうに思うんです。

(※発言は「推薦してください」だが、「任命してください」の意味と考えられる)

そこでまず1点、確認をしたいんですけれども、この、今、問題になっている6名の先生方の任命を「しない」と、「拒否する」ということを、政府として意思決定している決裁文書というのは存在するのでしょうか。
……いや、君(大塚官房長)が出てくる必要はないよ。総理。総理。第1回目の僕の質問の答弁なんだから。

●金田勝年委員長
内閣官房長、大塚幸寛くん。

●川内博史議員
いや、ひどいな、これは。

●大塚幸寛内閣府大臣官房長
委員にお答え申し上げます。この学術会議の推薦、あくまでも今回の任命のためにおこなわれたものでございまして、推薦された者の扱いも含めて、任命権者として、るるお答えしている最終判断を、まさしく任命権者の総理がしたものでございます。
一連の手続きは、終わっているということでございまして、まあ、仮に、新たに任命を行うには、また法律に沿って、改めて補充のための推薦手続きが取られる必要がある。かように考えております。


● 金田勝年委員長
川内博史くん。

● 川内博史議員
いや、総理ね、私が聞いたのは、6名の任命を、「しないよ」と。「総理大臣としては6名の任命をしないんだ」ということを意思決定した決裁文書がありますか、ということを聞いてるんですね。
で、総理は6人の名前は見てないわけですから。見てないとおっしゃっているので、当然(そんな決裁文書は)ないはずなんですよ。だから、「ないよ」と。「それは、ない」とおっしゃるのが、総理大臣としての……わたしが総理の答弁をここで言うのも変な話ですけど、「ない」ということをおっしゃっていただくのがですね、まあ、大事なことかなというふうに思います。

●大塚幸寛内閣府大臣官房長
委員長!

(と、指名されていないのに、手を上げて、立ち上がる)

●川内博史議員
総理が手を上げてんだから、君……

(と、大塚官房長官が答弁しようとするのを制する)。

(邪魔するな)

(総理だよ)

● 金田勝年委員長
(菅首相が答弁に立とうと腰を上げたが)内閣府大臣官房長、大塚……。

● 辻元清美議員
ちょっと。なんで……。総理が先に……

(と、立憲民主党の辻元清美国対委員長が制するように手をあげて委員長席に近寄る)

●川内博史議員
君! 君! ちょっと、ちょっと(と、大塚官房長に向かって)

● 辻元清美議員
総理が先ですよ

(おいおい)

● 金田勝年委員長
いいですか。総理大臣、よろしいですか。

(おかしいよ)

● 川内博史議員
君はいい!

●金田勝年委員長
はい。

●辻元清美議員
あなた、何やってんの。

●金田勝年委員長
官房長は座ってください。座って。はい、内閣総理大臣、菅義偉くん。

● 辻元清美議員
総理、頑張ってるんですよ。

(笑いが起きる)

●菅義偉首相
私、あの、99名について、えー、任命した、ということです。

● 金田勝年委員長
川内博史くん。

● 川内博史議員
いや、だから、6人をですね、任命しない、と。「俺は、しないんだ」ということを意思決定した文書が存在するのか、と。政府として意思決定するのかしないのかって、非常に大事なことなので、それを聞いてるんです。

● 金田勝年委員長
内閣総理大臣、菅義偉くん。

● 菅義偉首相
99名を、おー、任命した旨の決裁文書はあります。(と、川内議員に頷く)

● 金田勝年委員長
川内博史くん。

● 川内博史議員
(笑って)あの、まあ、総理はね、縦割りを打破する、と。官僚主義を打破するんだと。こうおっしゃっていらっしゃって、叩き上げだとおっしゃる。私もたたき上げですよ。叩き上げ比べをね、してもいいぐらいだと思ってますけども。
あのー、えー、この問題を解決するできるのは総理しかいないので、これね、突っ張っても違法状態が続くだけなんですよ。
なぜなら、なぜなら、総理のところにはね、梶田会長の「6名任命してね」と、「お願いしますよ」という要望書が来ましたよね。これは法的にはたぶん、日本学術会議が6名をもう一回任命してね、と総理に持ってきてるんですよ、で、総理の手に、その6名の推薦名簿があるんですよ、今。

(※「任命してね」の箇所は発言は「推薦してね」だが、「任命してね」だと思われる)

で、それを任命しないとですね、その方たちを任命しないと、210名が会員として揃わないので、総理大臣としての責任を果たしていないって事になるんです。なぜなら、210名の会員を組織させるのは総理大臣の責任だから。最終的に。

(※ここも「推薦」という発言は「任命」に書き換えた)

だから、この問題を解決できるのは総理しかいないんです。たった1人なんですよ。この国で。みんな、いろんなことを言いますよ。だけども、結局、説明できないのであれば任命するしかないし、私はそう思いますよ。
で、あと、学術会議のことが、「ちょっと、ずっと前から俺は問題に思ってたんだ」と、「改革したいんだ」と、だって改革者だからね、「改革しなきゃいけないんだ」とおっしゃるのであれば、6人を任命した後、正式な会議体を作って、「議論してね」、と。そして会員の推薦のあり方等を含めて、「ちゃんとしてね」と、これまでと同じやり方をやっていくということが、信頼を受ける、「国民に信頼される政治」ではないかというふうに思います。
そうじゃないとですね、総合的俯瞰的にですね、国民の皆さんからですね、菅内閣はわけわからんと思われちゃうんですよ。……ここ、受けませんでしたかね。はい。
あの、いや総理ね、総理が一人なんですよ、これ解決できるのは。このまま学術会議が6名の推薦を「取り下げません」と。「あくまでも任命してください」と言い続けたら、6名がずっと欠員のままですからね。それは政府としてやってはならないことですから。
総理として、「考える」と。「梶田会長を呼んで考える」と。「よく話し合ってみる」と。もう、梶田会長は「6名任命してね」ときちゃったんですから。来てるんですから、要望書は出てるんですよ。総理のところに。

(※ここも「推薦」という発言は「任命」に書き換えた)

それは、ちゃんと、「じゃあ話すから」というぐらいはしないとですね、これずーっと続くんです膠着状態が。それは、このコロナ禍でですね、コロナ禍で、他に議論しなければならないこともたーくさんあるんですよ。総理として決断してください。

(拍手)

●金田勝年委員長
内閣総理大臣、菅義偉くん。

●菅義偉首相
あのー。理論的には川内委員が言われる通りだというふうに思います。
で、梶田会長が来られた時に、それは確かに受け取りました。任命の要望書について。
その上で、梶田会長とは、国民から理解をされる会議にしていきたいと。学術会議にしていきたいと。さらに、そのために、何をやるべきかということも、一緒にやっていきたいと。そうしたことについては合意をしまして、いま、井上大臣のところで、梶田会長と会談をして、そうしたことを進めさせていただいているところであります。
その、もう、任命するしないということは、そのままの状況になっています。
で、結果として、理論的には川内委員の言う通りだというふうに私は思ってます。

● 大塚幸寛内閣府大臣官房長
委員長! (と、答弁を求められていないが、手を上げて答弁しようとする)

● 川内博史議員
いやいや、もう、いい。

(いらないよ)
(いらない)

●川内博史議員
はい! 委員長!

● 金田勝年委員長
川内博史くん。

(辻元清美国対委員長が、立ち上がって抗議。聞き取れず)

● 川内博史議員
ちょっと、委員長、あのね、私が政府参考人の登録を認めてるのは、よっぽどのときに、どうしてもというんだったらいいけど、あの、かく……(と、委員長に向かって、ここで「やりとり」をしているのだという手ぶりをする)……あの、内閣のメンバーと議論をしているわけですからね。

● 金田勝年委員長
川内くんを指名しました。

● 川内博史議員
ちょっと・・・・・・あ、はい。(と着席)

● 金田勝年委員長
それでは、内閣総理大臣、菅義偉くん。

●菅義偉首相
たぶん局長が手を上げたのは、一連の手続き、これ、終わっておりますので、仮に任命を行うのには、日本学術会議法に沿って、改めて補充のための正式な手続きが必要だということです。
ですからそのことで今、手を上げたんだろうと思います。

(大塚官房長、着席のまま、「うんうん」と大きく頷く。

● 金田勝年委員長
川内博史くん。

● 川内博史議員
じゃあ、改めてもう一度、日本学術会議が6名の先生方の推薦を総理に上げてきたら、そのときは考える、ということで、よろしいですね。

● 金田勝年委員長
内閣総理大臣、菅義偉くん。

(総理しか答えられないよ)
(がんばって)

● 菅義偉首相
全体の内容を見て、判断することになると思います。

(ほお)
(なるほど)

● 金田勝年委員長
川内博史くん。

● 川内博史議員
ま、全体の内容を見て判断する、と。
繰り返し申し上げてますけれども、学術会議の在り方、我々はそんな問題があるとは思ってませんが、総理や、あるいは自民党の先生方のね、中で、「問題があるんだ」と言うのであれば、それは議論すればいいです。
橋本行革のときに、この日本学術会議は行革の対象になったわけですから、それで、その流れで、ずーっと議論してきて今日がある、と。
また、すべてベストな組織なんてのは、ないわけですから、そこは議論を、6人を任命したのち、気持ちよく任命して、議論して、在り方を変えた上で、次のまた、会員の任命になっていくってことなんだろうと思いますが、その行政改革会議の最終報告の文書にはですね、内閣機能の強化は、政府の諸活動を国民に説明する責務がまっとうされるようにし、国民による行政の監視・参加の充実に資することを目的とする、情報公開法制の確立と不可分の関係にあるというふうに書いておりまして、内閣機能の強化をするのであれば、それなりの説明というのはちゃーんとしなきゃいけないよ、と。ちゃんとするからねー、ということをこの行革最終報告は言っているわけですから、ぜひですね、国民にきちんと説明できることをする、説明できないならば、それはしない、と。
すなわち、6人の任命をしないということに関して、説明できないのであれば、任命をしたうえで、組織の在り方については議論するという、順番をですね、しっかりとお取りになられることが、国民からの信頼を受けられる道ではないかということを、申し上げておきたいというふうに思います。