傍聴メモ:第4回裁量労働制実態調査に関する専門家検討会 (2018年12月21日)

<会議情報>
2018年12月21日(木)
10:00-12:00
厚生労働省共用第6会議室
<参集者名簿>(第1回資料1より)
小倉一哉  早稲田大学商学学術院教授
小島茂 公益財団法人連合総合生活開発研究所客員研究員
川口大司 東京大学大学院経済学研究科教授
黒田祥子 早稲田大学教育・総合化学学術院教授
西郷浩(座長) 早稲田大学政治経済学術院教授
鈴木重也 一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹
樋田勉 獨協大学経済学部教授
※宮内竜也 総務省政策統括官(統計基準担当)付調査官
<事務局>(反時計回り)
統計企画調整室長
総務課長
審議官(労働条件政策、賃金担当)
労働基準局長
労働条件政策課長
労働条件政策課調査官
労働条件政策課課長補佐
<配布資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000211189_00009.html
議事次第(PDF:32KB)
資料1 裁量労働制実態調査の概要(案)(PDF:428KB)
資料2-1 裁量労働制適用事業場票(案)(PDF:1.17MB)
資料2-2 裁量労働制非適用事業場票(案)(PDF:976KB)
資料2-3 裁量労働制適用労働者票(案)(PDF:708KB)
資料2-4 裁量労働制非適用労働者票(案)(PDF:640KB)
資料3 裁量労働制実態調査の統計表(案)(PDF:132KB)
参考資料1 開催要項(PDF:72KB)
参考資料2 検討会におけるこれまでの主なご指摘(PDF:164KB)
参考資料3 これまでの経緯について(第1回資料2)(PDF:292KB)
参考資料4 裁量労働制に関するこれまでの調査について(第1回資料3)(PDF:108MB)
参考資料5 裁量労働制に関する法令等(第3回参考資料5)(PDF:21.0MB)
<関連記事>
●「裁量労働、仕切り直し調査へ 厚労省、実態把握できるか」(朝日新聞2018年12月21日)
https://digital.asahi.com/articles/ASLDP3QVVLDPULFA00R.html?ref=tw_asa
●「裁量労働制の実態、来年度新たに調査 早い時期に実施へ 厚労省」(朝日新聞2018年12月22日)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13822626.html


***以下が傍聴メモ***

西郷 定刻より若干早いが、始めたい。まず事務局から。

事務局(労働条件政策課課長補佐) 統計解析室長と政策統括官(統計・情報政策、制作評価担当付参事官)は、別用のため欠席。資料、今回もペーパーレスとさせていただいたが、昨日、当初のウェブサイトに資料をアップロードしたところ、それになかなかアクセスできないと聞いている。システムエラー。お詫びしたい。
 
西郷 事務局で前回のご意見を踏まえて調査概要、調査票、統計表の案を修正いただいている。資料1から資料3。会議の進め方として、1から3までまず一括してご説明いただき、その後、1つ1つの資料について丁寧に議論していただければと思う。今後のスケジュールから勘案すると調査票はかなり完成に近い形で決めていただかないと。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  前回からの修正点を中心に説明。資料1。調査対象。今回、プレ調査を行うこととした。調査対象の中段。裁量労働制の非適用の事業所、小倉構成員からもご指摘があった。裁量労働制の対象となる労働者にちゃんと調査票が届くのかという指摘。裁量労働制の対象業務をやっている人がいるかだけを聞く調査をやって、「いる」と回答した事業場だけに調査票を配布する。
 また、5人以上の事業場に配布する。データベース600万ほどあるが、うち400万程度は、4人未満。通常の他の調査も5人以上が対象。今回も5人以上としたい。
 資料2。前回の議論を踏まえて、また、前回、マーケティングリサーチ協会のご意見もいただいた。それも踏まえている。また、政府統計としての様式に体裁を整える修正も行っている。
 資料2-1の1ページ目。統計番号、政府統計のロゴ、等。導入していないところにはチェックボックスをつけて返送してもらう。委託調査であることの記載。基本、人事担当者が回答。
 2ページ、厚労省からのお願い。調査を行うにあたり、非適用の事業場にも配るので、調査の趣旨をしっかりつけた。「裁量労働制の制度改革案についての検討に資するため」に実施する。適用と非適用の間にどの程度、労働時間に違いがあるのか、運用実態等について、地域、事業場規模などで偏りなく把握できるよう調査設計。回答は、今後の厚労省における裁量労働制の制度改正案の検討の基礎となる。
 そのあとが調査項目。修正点をご説明したい。3ページの問3.「うち」のところ。2018年度と追加。いつの時点かわかるようにした方がよいという意見に対して、下線を引くようにした。
 11ページ。適用労働者だけに設けられている制度として、特別な休暇を調査事項として入れていたが、削除する。評価制度、職務評価なのか年功賃金なのか、といった項目も削除した。
12ページ。健康確保措置。圧迫感のある調査となっていたので修正した。前回の調査票では、今、事業場に設けている措置と実際に実施した措置を聞くことにしていたが、設けている措置に一本化した。また、選択肢も少なくした。中身を完全に削る修正はしていない。
14ページ。労働者の同意を得る手続き。撤回の手続きでもあるので、それが明示されるようにというご意見があったので明示した。(3)同意を求めた労働者がいなかった場合の選択肢を設けるべきとの意見を踏まえて調査項目を追加。
18ページ。裁量労働制に対する意見。「わからない」という選択肢がいるのではとの意見があり、追加した。(4)同意や同意撤回の手続きを含め、と。
●●(書ききれず)
資料2-2.適用事業場と同じ修正をしている。1点、プレ調査をすることになった。4ページ、問3。対象の労働者がいるのかどうかから回答してもらう構成にしていたが、今回、プレ調査を行うことにしたので、適用事業場票と同じ設計とした。
資料2-3。適用労働者票。3ページ。前回は属性についてまず聞いていたが、最初に来ないほうがいいのではという意見があり、14ページに移した。業務など今後の調査の内容に関連し、イメージしていただく内容については、頭にもってきている。
4ページ。問2の労働時間。30時間未満から40時間未満のスケールを追加。休暇については削除。問5の中にどれくらい休暇がとれるかを入れた。
問11.6ページ。メンタルヘルスへの影響。削除すべきという意見と残すべきという意見があった。また、ボリューム感を減らすべきというご意見、議論の流れであったかと思う。具体的にどの部分を削るかという議論までは進んでいなかった。残すという形にしてある。今日のご議論でどのようにするか、ご意見をいただきたい。
7ページ。問11の前。なぜ適用されたのかという問があったが、満足度の選択肢があとにくるので、その中である程度理由について回答する部分と重複があったので削除した。
問12健康確保措置。問い方を簡略化した。
10ページ。レイアウトの関係上、修正をしてある。以上が労働者票の修正点。
非適用の労働者票。こちらも同様の修正。説明は割愛。
統計表。削除した問については、その項目じたいを落とすことにしている。加重平均を出すこととした。

西郷 では今のご説明を受けて、資料1から。プレ調査を実施することと、5人以上が対象ということが明記された。これに関してご意見は(意見なし)。プレ調査をするので二層調査をするということ。調査の効率が上がることが期待できる。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  委託先。しっかりとした委託先。ガイドラインを踏まえて、厳正に業者選定することを追記している。

小島 概要の2ページ。オンラインを使っての回答・回収も可能にする、と。この質問票は紙ベースだが、オンラインで回答する場合は、それ用のものを作らなくてはいけないと思うが、それはこれからか。フォーマット作成など。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  これからになるが、今回みていただいた設問の内容や調査票の文字などは変えるつもりはない。専門だけのチェックだと企画は飛ぶなどの設計はある。

西郷 レイアウトということだと思う。紙ベースとオンラインではレイアウトが違う。今の点など。それはこれから、ということで。

宮川(総務省) プレ調査はどういったことを考えているのか、聞きたい。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  カッコ2 対象労働者の数を聞く。それを集計して、その上で、適切に人数が復元抽出できるような数を適切に事業場に撒いていくということを考えている。

西郷 プレ調査を「調査」としてやるのであれば、その調査票はどう記載して、どこに配布するのかそういったことをうかがっているのだと思う。その点に関しては?

事務局(労働条件政策課課長補佐)  今、事業場リストを作っている段階。その上で、地域、・・・(書ききれず)・・・母集団ベースを作成。その中で、そこにちゃんと調査対象者がいるかどうかわからないので、そこに聞く。それを踏まえて、適切に、まけるところに撒く。すいません、ちゃんとお答えになっていなければ・・・。

西郷 (総務省の)宮内さん、それでいいですか?どこに調査票を配って、何を聞くのか、それが決まっていないと総務省としてそこから先に進めないと心配してのお尋ねだと思う。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  母集団リストを確定してから、どこにどのくらい撒くということが確定していく。そこは総務省のご指摘と調整。

宮内(総務省) では名簿整備のために行うのではなく、調査を二段階でやるということか?

西郷 調査の枠内ということであったとすると、プレ調査にしても調査票がきちんと用意されてそれが精査の対象となるはずだが。

課長補佐 基本的には名簿整備のため。

西郷 ではプレ調査という言い方はしないほうが。

宮内(総務省) 名簿整備ということになると、完全に有意抽出ということになると思う。有意的に選んでいたということで問題になった。なるべく層を決めて無作為になるのがよいと考えていた。

西郷 名簿整備が進んでいると聞いているが、その場合の名簿とはどういうものか。裁量労働制を適用している事業場とそうでない事業場、どう名簿整備がされているのか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  裁量労働制にかかる届け出や報告、そこに記載されている内容をリスト化している状況。ただしその中身には、対象業務に何人の人が就いているかの情報が書かれていない状況。そちらについて、名簿整備の観点から聞く。その上で、対象事業場についても確定していくことが必要と考えている。プレ調査という言い方が適切かという意見があったが、そういったものを確定していくための調査というか、そういうものを実施する。総務省さんとちゃんと調整してやるつもり。細かい点については事後的にでも、またご指導いただきたい。

西郷 私が理解した範囲では名簿の整備は進んでいる。しかし名簿の中でも裁量労働制を使っているところと使っていないところがあるのでプレ調査が必要ということか。それだとちょっとまずい・・。

宮内(総務省) それでもいいんですが、それでできるのかが、わからない。

西郷 規模感がわからない。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  それについては名簿調査が追い付いていない。

西郷 宮内さんの頭の中には何百万というオーダーが浮かんでいると思うが。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  そこまでは想定していない。

西郷 ほかには。なければいったん概要については議論したという形にしたい。
 次に資料2。事業場調査票について、2-1と2-2について。まず2-1の適用事業場票について。

小島 オンラインIDと初期パスワード。これがすべてに違う番号が書き込まれるということか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  基本的にそのようになる。

黒田 資料2-1の問4の業種は、資料2-2の非適用事業場の方にはどこに入っているのか?また労働者票で業種を特定する方法は?

事務局(労働条件政策課課長補佐)  非適用事業場は事業場データベースから引いてくるので、業種がわかっている。2-3の左肩、産業分類番号、こちらで打ち込んで配布する。労働者票は、一連番号を個人用にも入れている。同じ事業場であることを突合でき、識別できる形にしている。産業についてもこちらで特定できるということを考えている。

黒田 集計のときにはそれができるとして、事後的に二次利用を研究者ができる場合にも業種情報が利用できるか教えていただきたい。

西郷 基本的には二次利用は調査票情報が使えるということになっている。もしそのようにデータが管理されているとすると、業種が特定できないことになる。ただ、事業場データベースを使って回答者の側に負担をかけないことは政府統計全体の流れ。今のような問題が起きる。二次利用する側にとってはかなり大きな制約。私もどう解決していくのか、答えられる人はいるか。

宮内(総務省) データの中に事業場番号、産業分類の番号をデータとして持たせておくという形にしておく。

西郷 二次利用者にそれをそのまま渡していいものか。厚労省の側でくっつけたものですよね?

宮内(総務省) 個別データとしてそう持っているのであれば、それを二次利用するということで。

西郷 調査として関心の高いものなので、二次利用の便宜も図っていただければ。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  ご趣旨を反映できるようにしたい。

鈴木 調査票各種がホームページにもUPされた。10社程度、裁量労働制を適用している会社に調査票の内容について伺った。1点。資料2-1の問3、うち平成30年度中に初めて適用された労働者について。人事異動で海外に行くなど、適用をいったんはずれたがまた対象になるケースもある。また、会社によっては労働時間が一定時間を超えると、対象からはずれるケースもある。年度で尋ねられるとデータ抽出が大変という声があった。月を決めて、前年同月について聞くなどして、作業負担を軽減していただきたい。

西郷 今の調査票だとグロスの変化をとらえたい、差分ではなくグロスで、となっているが、それだと大変そうだ。ある一時点で、というほうが答えやすい。ネットの差分だけでいいならそのほうが答えやすいという意見だったが。回答負担に関連すること。厚労省としてはそういうデータで集計が活用できるということでよいか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  そのような修正で我々としては結構です。

小倉 今のでいいと思うのだが、資料2-1の問3のレイアウト、うち、ではなく二段に分けて書くということですよね?回答負担が減るのなら、その方がいいのでは。

西郷 では問3に関してはご提案の通り修正する。他には。先ほど産業格付けの問題で、非適用事業場については回答者に回答していただくには及ばないということだったが、産業格付けの移動があった場合にはどうするのかという問題があるが、それに対しては?

事務局(労働条件政策課課長補佐)  我々としては、ものすごくよく考えて作っているというよりは、調査負担を考え、これを使えるのであれば、という認識。もし産業移動まで正確にとらえる必要があるということであればそれも聞くということもありうるが、いかがでしょうか。

西郷 どの程度産業格付けの移動がありうるのかということがあるが、規模の大きいところであればそれほど移動はないだろう。

川口 7ページの問9 労働者1人あたりの労働時間の平均。計算の仕方が詳述されている。1カ月の労働時間の状況の合計を1カ月の労働日数の合計で割る形になっている。1日あたりの労働時間が異なる労働者がいる。労働日数が労働者によって異なる。この式だと労働日数が多い人にウエイトがかかる加重平均になっている。次のページ。
 心配されるのが、1人あたりの労働時間が労働者によって異なるがその平均を聞くと、多くの回答者は、1部の回答者に関しては単純平均を回答してくる可能性がある。相対的に考えると、労働時間が少ない労働者に実質的には重みがかかった計算になる。
 計算方法にある方法は、労働日数に重みを付けた方法。私はそれが望ましいと考えている。もしもそれを取りに行きたいということであれば、労働時間の状況の合計を聞いて、労働日数の合計を聞く。いずれにせよ、これらを聞くので、調査負担は増加しない。誤解を避けて、1人あたりの労働時間の加重平均を知るという目標について間違いなく取りに行くということで、7ページの資格ガッコの中の浅く色がついているそれぞれについて、別項目として聞くことを提案させていただきたい。
 さらに適用事業場の方は絵が入っていて、大切と書かれている。非適用事業場の方も絵を入れていただきたい。

西郷 平均を取るというときに、日数に重みをつけた場合とそうでない場合、回答誤差が出る可能性がある。川口先生のご意見は、日数に統一するという考え。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  調査負担ということ。経団連さんのご意見を伺いたい。

鈴木 各社では個別に平均データを常時もっているわけではなく、2つのデータを出して計算するということ。ある意味で作業は減る。ただし1点、各社でがっちゃんこした結果、これは異常値だな、と会社の回答者段階でわかるということがなくなってしまう。その後、集計会社でエラーチェックができるしくみができるといい。

西郷 確かに回答者の側でチェックできる仕組みがあるといい。しかし、作業が複雑になるとそれだけ負担感が出る。他の先生方はいかが。もし特段の反対意見がないなら、川口先生の意見に修正させていただきたい。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  事務局としてはそれで結構だが。1点、確認したい。統計表はすべて乗せることにしているが、統計表に乗せるのは、総労働時間などは意味がないため、それではなく、平均を記載するということでよいか。

川口 非常に難しいですよね。事業場の中で異なる労働者がいる場合、加重平均。課長補佐がおっしゃったのは、・・・・(書ききれず)。
 同時に一人あたりの1日あたりの労働者・・・・(書ききれず)・・・いろんな表象の仕方があると思う。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  私が今、先生方のご意見を伺っておきたいのは、統計表上はどのような平均を出すにせよ、平均値を出すということでよいか。つまり総労働時間などを統計表に出す意味があるかということ。

西郷 平均を出すということでよろしいですか(川口構成員、同意)。総労働時間があればあとからそれを利用できるという考えもある。

小倉 私はそれぞれを載せていても別にいいと思う。見る人がちゃんと見るような乗せ方があるほうが正直。

川口 課長補佐がおっしゃられたのは、それぞれの数字を全部足し合わせたのを出して、またそれを割り算する方法。・・・もう少し考えないといけない。すぐに答えが思いつかないが、いずれにせよ、何を目標にして計算するのかを明らかにして公表がされていればそれでいいのでは。

小倉 今、決めなくてもいいのでは。

西郷 表象をどうするかを決めないと総務省と交渉することは難しいことなので。座長引き取りということもあるが、皆さんが思っている平均が違っているということがあるといけないので。
 あとで時間をとって改めて検討したい。それ以外は。

鈴木 問9 導入企業の声。負担は軽くはないが、回答できるかな、という声。一方、いろんな調査が増えているということもあり、本社一括でないと答えられないという声もある。さらに、条件次第、という声も。本社が全社一括部分を回答し、労働時間を各事業場で回答する。条件次第で回答できるというところにも回答いただけるようにエクセルのデータでの回答形式も考えていただけないか。裁量労働制は全社一括の場合が多い。そこを本社で答えて、その他を各事業場で書くという形。

西郷 そのような実情に即した回答方法はできるか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  今の段階でエクセルが使えるか、オンラインで回答できるか、お答えは難しいが、対応を検討したい。

西郷 ご対応を検討していただけると。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  可能な限り(笑)。

小島 12ページの問15健康確保措置。前回から整理して項目を減らした。現行の裁量労働制の指針で示している健康措置と改正法案で想定された新たな健康確保措置についてインターバルなど整理されたもの。これでいいと思う。前回、懸念したもの、これでいうと3番目、健康相談窓口を設置する、前回は30年度に実施した施策となっていた、それをはずしたので、この表現でいいと思う。確認として。

小倉 問11裁量労働制を導入した理由。もとのものを簡略化したと思うが、業績に基づく評価制度を導入するため、に「反対の結果になった」はそぐわない。別の問い方が良いのでは。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  評価をするになじまない項目。「その他」とあわせて、評価のところは斜線にすることではどうか。

小倉 広い意味での評価制度を補完するようなもの。賃金で業績連動にすると同時に労働時間について裁量労働制を入れるといった形。言い方の問題。業績に基づく評価制度の補強、といった言い方ならイメージできる。人によって受け取り方が違う。僕のイメージは、成果主義的な人事制度を労働時間についても裁量労働制で補完するということではないか。

西郷 小倉先生の指摘は聞き方が不適切、というもの。他の先生のご意見は。事務局は。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  趣旨は理解できた。補強するとか、実効性を高めるとか、そういう方向性でいきたい。

西郷 今、成案が明確にならなくてもよいか。実施の段階ではご確認いただくことになるだろうが。(小倉構成員、同意)

小倉 問13本人の裁量の程度。労働時間管理が緩やかな場合の大きな問題は、業務量の決定。労働者票に業務量が過大という項目があるが、この事業場票にも入れられないか。A、Bあたりにかかわること。「具体的な仕事の内容・業務量」と入れるのか、別に「業務量」を起こすべきか。不満の理由があるところなので、ここでも入れておいたらどうかと。

西郷 業務量に関することを労働者には聞いているが事業場には聞いていない。聞く価値があるならこの問13のところではないかというご意見。他の先生方は。A、Bに潜り込ませる考えもあるし、別に立てる考えもある。事業場の方で業務量について聞くことで何がわかるのか、ということだと思う。労働者の方に聞く意味は私もわかる。事業場の方で業務量の決め方について聞くことにどういう意味があるか。結果的に集計しなければいけないことにある。結果が政策的に意味をもたなければならない。

小倉 目標も目的も期限も細かくいうと違う。成果主義で半期の目標を書き、事後にその達成を尋ねる。目標、目的、期限はそこに入っているが、裁量労働制で過重労働が起きたという声の場合、仕事のやり方に裁量があるが、過重な業務業には裁量がないという声を聞く。目標、目的、期限を決めているが、それをこなすには標準的にこのくらいの時間がかかる、といったことを決めていないのではないかという仮説を持っている。そこで業務量の決め方を聞く。

小島 仕事の内容と量は別だが、だぶるところもある。内容に量も含めて理解するのか、具体的な仕事のやり方をイメージするか、受け止めがグレーなところがある。そういう意味では、はっきりするためには、仕事の内容と仕事の量は別の選択肢にする方がわかりやすい。

西郷 内容と量と、分けて入れられるか。スペース的には入れられそうだが。

鈴木 1つの仕事だけをやるという方がいらっしゃるかという問題にもかかわってくる。裁量労働制でプロジェクトを複数もっているという場合に、それぞれのプロジェクトの量と難易度のパッケージの中で負担は変わってくる。完全に分けてしまうと回答に困ることがあるのではと懸念している。

西郷 今のご意見を勘案すると量を問うのであればBの内容に入れ込んでしまうというイメージか。

小倉 具体的な仕事の量と質ということですよね、内容というとき。内容というと曖昧になる。業務の遂行方法もある意味で内容。仕事の量と質と言ったほうがよいのでは。

西郷 質というとまた難しくなる。「内容と量」でどうか。負荷の大小をどう決めているか。「内容・量」としていただくことでよいか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  すべての調査票について変えるということにしたい。

西郷 時間マネジメントがまずくて時間超過しそう。

樋田 問12 、●●(聞き取れず)、ここは聞く必要があるのか

政策課調査官 給与については、「その他」として選んでいただくこともあるし、クリティカルな項目であれば入れていくということもありうる。職位と人事等級、これは・・・(書ききれず)
どういうところに位置づけられているか、テクニカルには違うが、その点が正しく伝わらないことによって回答に誤差が生じてしまうということが懸念されるのであれば、両方を束ねるような表現もありうると考える。

西郷 このままいきますという回答、と。

樋田 要件として給与は実態としてそれほど関係ないという理解でよいのか。給与がもし関係あるということであれば入れたほうがよいし、そうでなければ削るという選択肢もあると思う。

小倉 私の知る限りで適用の要件として給与だけというのはない。むしろ、職種、職位などが重要。給与はそこに紐づく。何万円以上、というのは聞いたことがない。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  JILPTで聞いたときには年収を要件としたときにはほとんど回答がなかった。そこで選択肢から落としている。

小倉 職能クラスを削るか削らないか、職位と職種があれば、落とす候補に入れてもいい。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  JILPTの調査では、職位を要件は11%程度、職種が53%、人事等級が23%。ある程度回答がある(企画型)。専門も。別に聞いておいた方がよいという理解。

小倉 のちのちの比較も考えるのなら入れておいた方が。

西郷 JILPT結果にかんがみると、給与は入れず、職種・職位・人事等級は残したい。他は。
では私の方から。問18。専門業務型のみをとなっているが、問18が白紙であったときに無回答で白紙なのか、該当しないから白紙なのか、区別できないことになるがよいか。回答すべきだが拾えないというケースが懸念される。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  専門業務型の労使委員会の設置は義務ではない。チェックボックスを設けるなどの工夫を考えたい。

西郷 該当しない場合がわかる調査設計が望ましい。問19。事業場の意見を聞いている。規模が大きくなると事業場の意見が集約しにくくなる。落とせということではなく、集計の扱いが難しいのでは。調査票を記入するセクション、人事・総務の人が事業場の意見をと問われて、どういう責任と権限で答えるのか、気になった。ただ、せっかく調査するのであればご意見をうかがうのはいいのではないかということになり、自由回答は扱いが難しいので、選択肢として設けるとご意見はいただいているので、特にこの項目について云々ではなく、回答する側がどう感じるのかと私が個人的に思ったということで納めておいていただければ。
 では非適用事業場票(2-2)について。なければ、労働者票へ。
 ないようなら、私から。問2の(2)と(3)。(2)では比較的正確に答えられる人が時間を答えてもらい、そうでない場合に階級で問う設計になっている。集計の段階ではうまくいかせない。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  今回、回顧調査。去年とどう変わったか。正確に回答していただいた方が、どれだけ増えてか、集計がしやすい。スケールで聞いてしまうと正確な部分がわからない。

西郷 (2)で答えた人がどのくらいいるかも集計の対象になるということか。(課長補佐、うなづく)。なるほど。
問11に関しては残すかどうかという議論が前回あり、その段階では残すという意見があり、全部を残すか検討がありうるということだった。何か、ご意見は。

川口 問11に関して。医学の分野である程度方法として確立されている質問のセットでこれを使うと精神状態などがある程度わかるという学術的なバックグラウンドがあるものか。もしもそうなら残しておくことが適切なのではないか。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  正確にはそのようなものではないと思われる、思われるというのは、JILPTの調査をベースとしている、調査として残すというのであれば、JILPTの調査との比較ということで意味があるかもしれない。仕事が調査に与える影響。調査負担という観点からこれを細かく残す意味があるのかというご意見も。

小倉 これのいくつかは私が研究所の時に項目に入れたものの記憶がある。もう10年以上前。細かく覚えていない。問11のCとかは、メンタルヘルスの論文の実証研究からとってきた記憶がある。JILPTのものがそのまま入っているが、JILPTの調査票に至るまでには私の記憶に入っていないこともある。途中で変化したというか、進化したというか。調査負担から考えると落とすクライオリティは高いかもしれない。ここにメンタルヘルスの専門家はいないので。心理学はもっと簡単なことをたくさん聞くやり方。

川口 時間的な余裕とかもあるが、もしも残すのであれば、質問項目について精査して、医学の分野で確立されて、かつ、著作権などをクリアしたものを使ったほうが、後々使い手があるのでは。

黒川 前回も申し上げたが、このスペースで著作権がかからないものは、ない。では削除してしまうと、精神的なものを把握するものが一切なくなる。国民生活基礎調査には、ケイシックスという調査がある。かなり重い精神状態を問うもの。代替はケイシックスだが、それだと重い精神状態以外は捉えにくい。また、回答者が回答しづらいものがあると考える。

西郷 残す方向で。これを特に削除、というものはあるか。スペース的には残しておいてよいのでは。Aだけは内容的に違うかな、という気もする。
特にご意見がなければ次に移りたい。
問12(1)、「その他」が途中で出てくる。下に来るのは「その他」に入らない?

事務局(労働条件政策課課長補佐)  書き方が悪かったかもしれないが、措置の内容として「その他」を設けている。その下は、そもそも知らない、といったもの。もう少しわかりやすくしたい。

西郷 「その他」を特定化してもらったほうがよい。
資料2-4は2-3と同様。もしご意見がなければペンディングになっている平均の問題に戻りたい。ただ、どういう平均かは、口頭では難しい。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  我々も平均値を出すことには意味があると考える。ただ、総労働時間と総労働日数を統計表に乗せるか、ということをご意見いただいたいというだけ。平均についてはどう出すかは、公表の段階で検討させていただきたい。

西郷 総労働時間と総労働日数を統計表に出す意味があるかということ。平均値を出すということでよいか、という点。平均値をどう出すかは別。

川口 その通りで結構だと思う。

西郷 ほかに。資料3統計表に関して。調査票の項目が変わればそれに応じて統計表の表象も変わる。基本的には調べたものは載せるという形。それでよいか。
それでは、一応、今日、目標としていた、調査票をできる限り確定するという作業についてはご議論いただいたと考えている。
全体を通じてご意見があれば、伺いたい。

樋田 蒸し返すことになるが、2-2 非適用事業場の産業の状況。確かに負担減ということでは望ましいだろうが、今回、適用事業場と非適用事業場の比較ということが問題になっているので、できるだけ質問項目はそろえたほうがよいのではないか。多少の負担増にはなるが、非適用事業場についても同じ情報を聞いたほうがよい。

事務局(労働条件政策課課長補佐)  そのようにします。

西郷 できるだけ最新の情報である方がよい。ではそのように。他には。

川口 最後だと思うので申し上げる。資料3でいろいろな表象を考えていただいている。これについて意見があるわけではないが、最終的に知りたいのは、裁量労働制を適用される者とされない者で同じタイプの労働者の労働時間がどうなっているか。こういう形での統計表で答えるのは不可能。回帰分析などの統計を使わないと、この問いには答えられない。

西郷 公的一般統計としての役割は統計表により公表すること。分析をどのようにやるかも含めて、今後の調査票の中身の検討をどこまでやるかを考えておいた方がよい。
では、他にご意見はあるかもしれないが、第4回の検討会はこのあたりでクロージングさせていただきたい。専門的な見地から、建設的なご意見をいただいた。今日のご意見も踏まえて最終的な調査票を確立させたい。いただいたご意見を反映させた調査票については、わたくし・座長と事務局にご一任いただきたい。その上で、最終的な調査票についてはご意見をうかがう機会を設けたい。
今後、母集団の確定など、調整を行った上で、厚生労働大臣と総務省との間で折衝が入る。そこで調整が入ることもある。

事務局 今後の予定については、追ってご連絡させていただきたい。