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10月17日 日本文学week②No.27『坊っちゃん』

今日の本紹介は、夏目漱石の「坊っちゃん」です

皆さんは「坊っちゃん」を読んだことはありますか??

私は夏目漱石の「こころ」を読んで
文章は美しいけど暗くて重いという印象を受け、
他の作品にはなかなか手が伸びませんでした

しかし、「坊っちゃん」は「こころ」と比べてびっくりするくらいユーモアに溢れていて読みやすかったです

「坊っちゃん」は、「吾輩は猫である」などと同様に夏目漱石が小説を書き始め?た頃の作品で、

一方の「こころ」は、大病を患って大量の吐血によって危篤状態にまで陥ってから後の作品なので、

こんなにも雰囲気に違いがあるのかなと思いました
(もし間違っていたら指摘していただきたいです🙏)

しかし後書きを読むと、気づかなかった「こころ」や他の漱石の作品との共通点が見えてきました

“ 『坊っちゃん』と『こころ』には八年ものひらきがあり、その間に漱石自身の変貌もあったであろうが、人間の孤独の問題、利欲に満ちた現実社会と相容れない精神の問題、愛の問題、財産の問題、生と死の問題等々とあげて行くと、『こころ』にある問題はすでに『坊っちゃん』に出ており、一見対照的な両作品の基底には、まぎれもなく同じ漱石が存在しているという事実につきあたらざるをえないのである ”

“ 父母も兄も家屋敷もなくなれば、寄宿しかない。これまでの父母がいた家が消失し、自身は結婚して家庭を持つまでには至っていない状態、この宙吊りのひとりぼっちの状態が〈下宿〉であって、『こころ』の「先生」も同様であった。
『こころ』にかぎらず、漱石作品は『草枕』『三四郎』『それから』『門』など、〈家〉と〈家庭〉のはざまの宙吊りの孤独を読むことが可能である ”

夏目漱石の作品を総括的に見るという読み方もあるのだと感じ、夏目漱石ひいては日本文学の奥は深いなあと感じました

“いろんな見方ができる作品”

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