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不登校 〜通信制高校を選択〜

息子が小学5年生から学校へ行くのを嫌がるようになった。行ったり行かなかったりで小学校を卒業した。

中学になり、入学式に出席してしばらく登校していたものの、2週間もしないうちに不登校になってしまっていた。

行けない日々を過ごしながらも、息子には『高校へ行きたい』という希望があった。それなら、受験勉強をしなければいけない。でも、なかなか勉強をすることもできず・・・

中学3年になった頃には『通信制高校にしようかな』と言い始めた。この何ヶ月かの間に、色々調べて悩んでいたのかもしれない。少し落ち着いた感じがする。

早速、ホームページを見たり、資料請求をしたりした。通信制高校といっても、いろいろな学校があり、今、どんどん増えているようだった。

年に数回だけ行けば良い学校もあれば、週に何日か通う学校。毎日通う学校もある

息子の選んだ学校は毎日通う学校だった。早速、説明会に行ってみることにした。

説明会


その学校の生徒が案内してくれて、進行もつとめいた。もともとみんな不登校だったとは思えないくらい、しっかりとやっていたことに驚いた。とても、印象は良かったが、息子は通えるのかと心配になってしまった。始めからちゃんと来れる生徒と休みがちな生徒がいるけど、それなりにみんな来ている、と聞いて少し安心をした。


息子もすっかりいく気になり、『プレ登校』という入学前から始まる授業にも参加したい、と言い始めた。

それには『エントリーシート』というのを出さなければいけなかった。自分の長所、短所など、自分のことを書かなければいけない。多分、学校に行っていればやらされることで、面接などで聞かれること。息子にとってはかなり難しいようで、かなり長い時間かかっても書けずにいた。

提出日までに間に合わない・・・となった時、「助けてよ」と泣いてきた。私が考えて文を書いて「こんな感じは?」と聞くと「なんか違うんだよね」と言うだけで全く進まない・・一体どうするの?


担任の先生と話すと、「自分の長所や短所をなかなか書けない子はいますよ。お母さんが文で書かずにまず単語でこれとこれだったらどっちだと思う?とそんな感じで進めると良いと思います」とアドバイスをもらう。なるほど。確かにしっかりした文にしてしまっていたから『なんか違う』になるのかもしれない。

息子は「なんでこんなもの書かなきゃいけないの?」と文句を言いながらも、一応、提出という目標があるため頑張って完成させる事ができた。


入学試験の前に『事前相談』というものがあって今の状況や『エントリーシート』で書いた内容のことを聞かれたりした。試験には面接もあるのでそのための練習でもあった。

事前相談


「これはどういうこと?」と聞かれると息子はなかなか言葉に出して説明する事ができず、「え?えーえー、うーん、うーん」と頭をかしげるばかり・・・(しばらくの間、私と家庭教師の先生としか話していなかったからちゃんとした受け答えができなくなってしまっているようだった)

『しっかり話ができない』という印象を持たれてしまったようだが、「まー入ってからでも大丈夫だけど」と言ってくれた。そして、その前に不登校生徒を学校復帰に導くための教育機関(その高校と同じ系列)に行くことを勧められた。

早速、私だけ面談をすることになった。

教育機関


「この高校に受かってからの『目標』を考えていきましょう。何かありますか?」と言われ漠然と、高校に行ってほしい、大学にも行きたがっていたから大学にも行ってほしいとしか考えていなかった私は、何を答えて良いのかわからなかった。言葉が出てこない私に「どんな高校生活を送ってほしいですか?」と聞かれ

「高校生になったら毎日学校へ通って、友達ともうまくやっていき友達もたくさん作ってほしいと思います。とても能力がある子だと思っているので、それを見つけて伸ばしていってほしいと思います・・・」以下、省略。と言ったら

「そのプロセス。毎日学校行って友達とうまくやっていくというのは必要ですか?」と指摘される。「そこが違うとしても最終的なゴールは同じなのではないでですか?」と。


確かになぜかそこにこだわっている自分がいたことに気がついた。毎日通う学校を選んだのだから、行くのは当然。友達とだってうまくやっていかなきゃって、考えている自分がいたことに少し驚いた。

こんな風に私が思っていたら、息子だって同じように「中学はいけなかった。だから高校生になったら毎日学校通って友達作っていきたい。週に数回通うのでは意味がない」と思ってしまうのも無理はない。もっと先のゴールを共有したほうが良いのかもしれない、と思った。

この学校は魅力的。でも3年以上まともに学校へ行っていない息子にはハードルが高い。とりあえず試験までがとてもきつい。多分、1番苦手とすることのオンパレードだった。

***

プレ登校が始まった。でも、1回目から「行きたくない!去年の内容だったら良かったけど今回のは嫌なのばかり・・・」と言い始めてしまった。

今までは『この高校に行きたい』と言う気持ちだけで動けていたけれど、実際に近づいてきて不安も出てきてしまったのかもしれない。

でも、私はこの前話をしたことで、落ち着いてこの状況を見る事ができた。別に、行けないなら行かなくても良い、と。ただ、このままではいけない。進路を少し変更した方が良いのかもしれない。

フレックス制の説明会


フレックス制(週5〜1日通学のコース)の説明会があったので聞きに行くことにした。やっぱり息子にはフレックスがあっているのかもしれない。ここの学校の良いところは、フレックスで入学して途中で毎日通うコースに変更できるところだった。これなら、息子の気持ち次第で変えることも可能だ。それと、息子が嫌う制服がないことも魅力的だった。


息子とは何度も話し合い、結局フレックスコースで落ち着いた。願書も書いた。願書と一緒に出す作文もなかなか書けず苦労したが書き終えることができた。

入学試験は親子面接と筆記試験がある。

「椅子に座る前に「失礼します」って一礼するんだよ」とか面接マナーを少し話すが「わかってるから良い!」と言われてしまう。私がやけに緊張して当日を迎えた。

入学試験


面接では今までちゃんと答えられなかった息子がしっかりと自分のことを話していることに驚いた。そして、面接マナーもきちんとしていた。息子も色々調べて勉強しておいたのかもしれない。

合格


通信高校はほとんどの子が合格できると聞いていたけれど、やはり、合格するまではドキドキした。はーこれでやっと次のステップへ進める。

フレックス制なので単位を取って進級して高校卒業してくれれば良いか、とかなり気楽になった。


息子は『大学に行きたい』と言う。そういう目標があれば、きっと自分で考え行動していってくれるのではないかと思う。これからも、そっと見守っていこうと思う。






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