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「江戸の菖蒲発祥の地~東京都葛飾区・堀切菖蒲園」

夏を感じる季節に咲き誇る花菖蒲、江戸時代後期に一気に広まった日本古来の伝統的な園芸植物です。
 
菖翁と呼ばれる一人の旗本が花菖蒲の群生を見せるという手法を作り上げたのが、ここ堀切発祥のものです。最盛期には5つの菖蒲園が並び立ちましたが、現存するのは堀切菖蒲園だけになってしましました。
 
欧米に苗を輸出していた時代もあるほど発展した花菖蒲園ですが、その最古といわれるのが、小高伊左衛門が始めた「小高園」です。縁あって松平壱岐守が来訪したことにより、数多くの武家が訪れ、見物客に食事や酒を提供する花菖蒲園となり、江戸最後の新名所となりました。
 
堀切菖蒲園は、戦前に作出された「江戸古花」を数多く栽培しており、園内の約200種のうち、半数近くが江戸古花です。また、同じ品種を並べて植えるのではなく、緻密な 乱数表を活用して、ランダムに植えています。それ故、変化に富んだ風景を見せてくれるわけです。
 
高貴な紫色が、周りの住宅やマンションの姿を忘れさせるような、そんな時空に踏み入れさせてくれ、江戸時代にタイムリープしたような錯覚に陥ります。

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