詩「クローゼット」
クローゼットをあけると
ずらっとならぶ服たち
「こんにちは」と顔を出す
服をえらびだすと
「わたしにしなよ」
「ぼくにしなよ」
と 必死にアピール
みんな魅力的だけど
えらばれるのは一着だけ
この青いデニムに
ふさわしいのは だれかしら
服を取り出して
あわせてみて
また しまう
オーディションを勝ちぬいたのは
オレンジ色のブラウス
うん
この服が一番いい
えらばれた
オレンジのブラウスは
勝ちほこった顔
わたしは ほかの服たちから
「うわきもの!」
と クローゼットをしめるまで
せめられる
わたしは服を
とっかえひっかえ
とんだ うわきもの
でも それが楽しいの
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