見出し画像

人と資源を循環させるエコシステム その2

 「牟岐カレープロジェクト」の次にやること、実は「ハンバーガーの商品開発」なのです。あまりにも安直で陳腐な発想だと思われる方も多いだろう。今回はその経緯について紹介したい。

 「ハンバーガーの商品開発」について、2人の若者を抜きに語ることはできない。1人目は、秋田県男鹿市でハンバーガーのフードトラックを始めた修吾。彼との出会いは、2014年のHLAB TOKUSHIMAサマースクール。大学生スタッフとして参加した彼は、サマースクール後も牟岐町の離島(出羽島)で実施したワークショップに参加してくれた。
 大学卒業後は男鹿市で地域おこし協力隊として活動、今夏フードトラックによるハンバーガー店を開店した。少年期をアメリカで過ごした彼は、私にとってはエリートであり、地域おこし協力隊になったことを知った時は大きな衝撃だった。しかし、その後話をする機会が増え、その考え方を知るにつけて、私は彼に共感し尊敬するようになった。
 もう1人は、「カレープロジェクト」の中心メンバーで、現在は修吾のもとで活動する未有(みう)。大学1年からひとつむぎの活動に参加、牟岐町を大好きになってくれた。彼女はもともと料理の道に進みたかったらしいが大学に進学。周囲からは思いつきで行動しているようにも見られがちだが、人と人の気持ちのやり取りなど「お金に置き換えることができない価値」を哲学的に考えていたりしている「おもしろき(古語的に)」存在である。
 今年7月に修吾とのオンラインミーティングに誘ったところ、あっという間に大学を休学して男鹿市で活動することになった。
 
 長引くコロナ禍により牟岐町での活動に閉塞感を感じていたタイミングで、牟岐町から特産品開発のお話があった。そして、「牟岐町を愛し複数拠点で活動する若者=人」、「牟岐町で利用が進んでいない食材=資源」を循環させる取組を、修吾と未有と一緒にやりたいと瞬時に思った。

画像1

 私の頭の中には、使いたい牟岐町の食材が2つある。
 1つ目は、牟岐町近海(特に出羽島)で季節を問わず漁獲されている「レンコ鯛」、島ソーメンなど郷土料理にも使われますが、若者にとっては口にすることは少ない。もう1つが、牟岐町内に食肉加工施設が整備されつつある「ジビエ」である。
 いずれも、牟岐町では比較的容易に確保される食材でありながら、商品化は進んでいない。月並みであるが、若者やファミリー層が好むハンバーガーにすることで、換金手段が生まれるとともに、SDGsを学ぶ上でも恰好の教材となると考えた。

 男鹿市で移動販売が難しくなる11月、2人は渡り鳥のように南下してくる。人が巡ることで、コロナで閉塞した地域に新たな風が吹き、希望や可能性が生まる。こうしたご時世、焦りは禁物であるが、立ち止まらずに前進していきたいと思う。

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?