なんでも話せなくなった友達
なんでも話せていた友達に、なんでも話せなくなったのはいつからだろう。
自分の思っていることを話して、気に入らないことがあれば愚痴をいいあって、将来の話をしたりして。何も考えずに話していても、何も気にせず笑えていた。
高校を卒業して友達はみんな違う道に進んでいった。
今もみんなと集まることはある。だけど、あの頃みたいに盛り上がってるのに、あのころとは明らかに違う空気がある。みんな違う道を歩き出して、それぞれ抱えるものができ始めていた。あのころみたいになんでも話したら、だれかの抱えているものに触れてしまうかもしれない。あのころみたいに笑っているあの子は、私が放った何気ない言葉に傷ついているかもしれない。なんかそう考えると、自分の言葉が怖くなる。盛り上げたいのに、あの頃みたいに笑いたいのに。
みんなと会う時、なんの話題をだしたら、誰も傷つかずに楽しくなれるんだろう。そういう盛り上げ方できる人に会ってみたい。
これから先、なんでも話せる友達なんてどんどんいなくなるんだろうな。それが大人になるってことなのか。大人って難しい。
大切な人を傷つけたくない。大切な人を笑顔にできる大人になりたい。