見出し画像

8 水仙 冬の季語

雪折れの水仙のつぼみおこしてやる
種田山頭火
昭和8年?

手持ちの句集にはない。山頭火ふるさと会の句集検索サイトで知った。いいなあ! 手を差し伸べてもらったり、もう死んだ誰かの言葉にふっと気持ちが軽くなったり

この句、水仙のつぼみを起こしたじぶんが助けられている

山頭火は苦悩や虚無を抱え、悶えながら生きた人だと思う。はちゃめちゃな彼を理解せず、毛嫌いする人もいただろう。いわゆる「生産性」とは無縁だと見えただろうから。でも句友を中心に、たくさんの人が彼に手を差し伸べた。

現代を生きるわたしたちが、没後80年以上経っても山頭火が詠んだ句に親しみ、心を支えられているというのは不思議なことだ。


茨木のり子さんの詩「花ゲリラ」にもあったな…
「あのときはありがとう」と言われて、じぶんでも思い出せない、というような内容の詩だったはず

生前は行乞(ぎょうこつ)をして、ぎりぎりの托鉢の旅を続けた山頭火。全集が出て、いまや国外にもファンがいるなんて、本人はさぞかしびっくりするだろうなあ〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?