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【毎日映画_0063/1000】8/30_『マクベス』

『ハムレット』『オセロー』『リア王』と並ぶ、シェイクスピア4大珍味のひとつ。

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『マクベス』(2015)

監督:ジャスティン・カーゼル
脚本:ジェイコブ・コスコフ
主演:マイケル・ファスベンダー
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〈ストーリー〉
スコットランド。ダンカン王に忠誠を尽くすマクベスは、激しい内戦に英雄的な勝利を収める。
そこで、どこからともなく現れた魔女からのお告げを聞く。
「マクベスは王になる」
欲に駆られたマクベスは妻の後押しもあり、ダンカン王を暗殺するが、自責の念と止めることのできない狂気に蝕まれていくという男の悲劇。

〈感想〉
自責の念と止めることのできない狂気に堕ちていく男。いま観ないわけにはいかない作品ですな。

皆さんには、何度も観たいという作品はありますか?
もしあるとすれば、それはなぜ「何度も」観たいのでしょうか?

例えば1、初めて観たときの感情を思い出したいからとか?

そのときの主人公に感情移入して、例えば一歩踏み出す勇気をもらえたのだとしたら、折に触れ、その勇気が欲しいからですか?
残念ながら今のボクには、人の気持ちを想像する力というか、配慮というものが欠けています。なかなか心動かないものなので、あまり出会える機会はないのです。

例えば2、観る度に新しい発見があるからですか?

これ、ボクには高等テクニックすぎて想像でしかないのですが、そのときの自分の状況に応じて、様々な味わいがあるからですか?
その作品が多面的で深いため、その全てを知りたくなるという欲求からでしょうか?

この映画、というかシェイクスピアものって、ボクにはわからないんですよ。セリフが詩的で読み取れなくて、何を言っているのかうまく理解できない。で、この理解できないが「知りたい」につながっていかない。だから「何度も」ってならない。

アートは、理解するというよな正解があるものではないので、感じるだけでいい、感じたことが全て、という考え方もあるだろうけど、ボクには想像力がないので、何かを感じ取って納得するなんてこともあまりなさそう。そもそも、一度観た、こう感じた!以上終了ってことでは「何度も」になってないですし。

さっきから、
何度も「何度も何度も」ってうるせーなと思ってるかと思います。

実はここ最近、立て続けに、上記の1、2の理由で「何度も」観てみたいと思う作品に出会ったのです。
今日言いたいことはこれ以降でして、もしもここまで読んでくださっている方がいらっしゃったら、それはもう、申しわけありませんでした。

『宮本から君へ』
主人公の宮本と同じような「体験」をしたボクは逃げてしまったけど、宮本は震えながら立ち向かっていった。ボクはこの映画を何度も観ることで、一歩前に足を出す勇気をもらえると思っています。


『マクベス』
冒頭でも話した、自責の念につぶされて狂気に堕ちるマクベス。この詩的なセリフを紐解く「教養」を身につけて理解するために何度も観たいという気持ちが湧いてきた。

何度も観ることで得られる、少し上の喜びは、重ね合わせることのできる「体験」と、理解するたの「教養」から生じる。

映画1000本観たら、「体験」と「教養」がたまって、ひとつ上の喜びを得ることができるかな?
ようやく、楽しみ方がわかってきたような気がする、最近の2本でした。


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