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書き手を導く「褒めのサンドウィッチレター」

3年以上ライターとして仕事をしてきて気づいたことがある。人は(というか私という人間は)褒められると筆が乗る。

自分がそういうタイプなので、編集者としてライターさんの原稿にフィードバックをするときも、良いところをセットで伝えるように心がけている。

とはいえ、つい急ぎ足で直してほしい点を並べ立て、反省することも多々ある。褒めるためには技術と心の余裕が必要なのだと実感する。

少し前に「Longform Podcast」でWIREDのエグゼクティブエディターMaria Streshinskyさんが「praise sandwitch letter(褒めのサンドウィッチレター)」というフィードバックの方法について話していた。

通常「サンドウィッチ式」のフィードバックというと、「褒める→批判→褒める」と、批判を「褒める」の間に挟み、フィードバックを相手に受け入れてもらいやすくする手法を指す。

しかし、彼女のいう「褒めのサンドウィッチレター」は、より原稿作成に特化している。

** ・How wonderful this is(原稿がどれだけ素晴らしいか)
・How much work it will need(追加でどれだけの作業が必要か)
・How wonderful it will be(上記を終えると原稿がどんなに素晴らしくなるか)**

現状の良さを踏まえて足りない部分を伝え、それが加わった原稿がどれだけ素晴らしいものになるのかを示す、というやり方だ。

思い返せば、素敵な編集者の方々は、自然とこのサンドウィッチができている気がする。

先日、小山さんが「書き手の頭をいかに刺激するか」という話を書いていた。

編集者はその前提の元、いかに熱を込めてもらうかを考える。「すり合わせ」て引っ張っていくのではなく「刺激」し、書き手が主体的に熱を込めてもらう状態をつくらなければいけない。

企画や取材、構成など、初稿の前段階から、しっかりとライターの熱量を引き出す大切さ。超絶頷きながら読んだ。

そして、初稿を受けとってからも、思考を刺激するのは大切だ。こんなに最高な記事になりますよ、と輝かしいビジョンを示し、それに向かって一緒に走っていく。そんなイメージで原稿をつくっていきたい。

ライターさんと「早く公開したいですね」と言い合える原稿が出来上がったときほど嬉しい瞬間はない。サンドウィッチレター、さっそく実践してみたいと思っている。

最後まで読んでいただきありがとうござました!