見出し画像

タイトルのわからないFlashゲームの記憶

Gimletの配信しているポッドキャスト「Reply All」が面白い。いくつか定番のコーナーがあり、なかでもお気に入りなのが、聴取者からのインターネットにまつわる相談に答える「super tech support」だ。Appleのサポートを装う詐欺業者に電話をかけ、インドまで直接会いに行って正体を解き明かそうとしたり、宅配業者を悪用しているロシアの組織を小型GPSで追跡したり、体当たりの取材を行うコーナーだ。

日頃は「詐欺にあったので助けてくれ」といった相談が多いのだが、少し前に、ほっこり系のエピソードがあった。子どもの頃に遊んだFlashゲームをどうしても、もう一度プレイしたい、という相談だ。インターネットで探したが元のURLはおろか作成者ですら定かでない。そのなかで専門家の力を借りながら、何とかゲームをプレイできる環境を整えていく。

これを聴きながら、ふと思い出したFlashゲームがある。中学1年生の頃、三連休の最終日、憂鬱な気持ちを紛らわすためにプレイしていたゲームだ。

サンタクロースが部屋のなかにいて、仕掛けを一つずつ解き明かして脱出する、という内容のゲームだった。あまり細かく覚えていないが、何となく面白くて、夢中になって遊んだ記憶だけがある。

先日、TBSラジオのアフター6ジャンクションに、「図書館でゲーム部」というユニットを組んでいる司書の方が出演していた。彼らは、アナログから最新ゲームまで、図書館で広く市民が触れられるようにする重要性を指摘するとともに、ゲームという文化のアーカイブの難しさについても言及していた。

出演されていた司書の方曰く、新しいゲームソフトが発売されると、国会図書館に納品する制度が整えられているらしいが、プレイできる環境までは用意されていない。また、オンラインのゲームであれば、サーバーごと預かる必要があり、それを管理するには当然膨大なお金がかかる。

映像のアーカイブにおいても、2インチのテープが高価だった時代、次々に上書きが基本だったため、昔の作品が残っていないといった話を記事で読んだ覚えがある。しかし、当時は「お金を払って残すに値しない」と判断した作品も、後に重要な資料になることは、往往にしてある。

私の記憶のなかのサンタクロースのゲームはともかく、きっとゲーム文化の歴史において、重要な意味を持つ作品は沢山あるのだろう。それがちゃんと後世に残るような仕組みができていくと良いなと思う。

最後まで読んでいただきありがとうござました!