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「カンバセーションエディター」という仕事

最近、オランダのDe Correspondentが「Conversation Editor(カンバセーションエディター)」と「Engagement Editor(エンゲージメントエディター)」を募集していました。

前者の「Conversation Editor」は比較的新しいポジションで、彼らの仕事はメンバーが知識や経験を他のジャーナリストやメンバーとコメント欄でシェアするよう促し、それらを特派員の発信の質向上につなげること。現カンバセーションエディターのGwen Martel氏が次のように仕事の内容を説明しています。

わたしは日々多くの人と会話をしています。多様なバックグラウンド、経験、専門知識を持つ人たちです。最近は酪農家やバッタの駆除業者、宇宙飛行士、サッカー選手、ヨーロッパ議会のメンバーなど、挙げればキリがありません。(中略)彼らには、いつも「あなたの知識をDe Correspondentコミュニティのシェアしてくれませんか?」と聞くようにしています。その後、De Correspondentに参加してもらうよう依頼し、Contribution Sectionの説明やプロフィールの設定を行い、私たちと知識をシェアする準備を整えます

特定の人種、学歴、性別に偏ることなく、可能な限り多様な声を取り入れようとしています。意見を聞きたい人に協力してもらうために無料でメンバーシップを付与することもあるそう。

「Engagement Editor」は「Conversation Editor」と同じチームで、メールマガジンやSNSの運用、新たなメンバーを集めるための施策、既存メンバーとの関係構築などを担います。

これは、DIGIDAYの記事で書かれていた「メンバーシップエディター」と近いかもしれません。それとは別に、多様な会話をつながすための専門ポジションがあるあたり、対話を重視するDe Correspondentの姿勢が現れていて面白い。

メンバーシッププログラムは、広告モデルに代わるメディアのビジネスモデルとして、サブスクリプションと共に注目されています。

わたしは恥ずかしながらあまり両者をちゃんと区別できていなかったのですが。サブスクリプションは主にサービスやコンテンツの対価としてお金を払う関係や契約を指すのに対し、メンバーシップはメディアの作り手と受け手を含むコミュニティに属し、自らの時間や知識をシェアするような関係を指すんですね(もちろん諸説あるとは思いつつ)

ただ、その境界はかなり曖昧になりつつあるようです。通常のサブスクリプションに特典を加え、アップセルする手段として“メンバーシップ”を掲げているメディアも多い。(それによりメンバーシップ制度もサブスクと同様「価値の交換」として捉えられてしまうのでは、という指摘もあります)DIGIDAYの記事でも、メンバーシップエディターに共通する仕事の一つに、「メンバーシッププロダクトを売り込む手段を開発する」が挙げられていました。

もろもろ課題はあれど、メディアの新たな収益源として、読者と作り手、あるいは読者同士の交流を促したり、読者をコンテンツづくりのプロセスに巻き込んだりする手段として、メンバーシップ制度を導入するメディアは増えていきそうです。そこで新たに生まれる仕事から、メディアのスタンスが色々と垣間見えてきそうで楽しみだなと思います。


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MUKAI Haruka

93年生まれの編集者/ライター。関心領域は新興メディア、テクノロジー、カルチャーなど�。趣味はラジオとハロプロと海外コメディー。7月からオランダに住んでいます。

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