episode1 赤青鉛筆の恋

私の初恋と呼べるものは多分ひねている。
あまりにもありふれていて、あまりにもエゴイストな恋だ。
好きな子をいじめたいだとか、好きな子を困らせたいだとか、私を認知してもらえる。そのことに快感を覚えるような恋だ。
ただ、少し違うのは、私は女で、相手も女の子だったということだ。
恋に落ちたのは、漢字テストの答え合わせの瞬間で、恋が終わったのは友達に戻った瞬間だ。
有り触れているのか、有り触れていないんだか、
よくわからなくて、それでいてどうしようもない特別な恋だ。
まるで自分が主人公になれたようなそんな独善的な恋だ。
偏ってもいい。笑われてもいい。あまりに、馬鹿げてもいい。
人を愛するということは、そもそもあまりにドラマチックであるんだ。

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