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ゴール裏が芝。サポーターたちのフィールド

 なんやかんや最近はJ1の試合を見に行くことが多かったので、J3にゴール裏はなかなか新鮮だった。普段良く見に行く試合のゴール裏はユニフォームを着たウルトラスで一杯。当たり前のように椅子があり、試合開始までは座る。そして試合が始まるにつれ立ち上がる。うなり声のように声援はスタジアムに響き渡り、相手チームを威圧する。しかしこれが全て正しい訳ではない。ゴール裏は自由であり、色々な楽しみ方があってもよい。平日のナイターにあれだけ人が集まるプロ野球のように、応援する者、お酒を飲みに来る者、ただただ野球を見たい者。スタジアムに来る目的は1つではない。今回訪れた試合のゴール裏は多種多様。良い意味で自由さがプンプンとにじみ出ていた。

 おそらくスタンドに芝があるスタジアムに行ったのは我が地元FC岐阜の長良川競技場以来だった。しかし長良川競技場の場合はバックスタンドとゴール裏の一部であり、今回初めて訪れたアスルクラロ沼津のホームスタジアムである愛鷹広域公園陸上競技場のゴール裏は全て芝だった。

ゴール裏が芝の良さ
「得点後の喜び方の自由さ」

 試合は開始3分で熊本の高瀬優孝のゴールで先制する。遥々熊本からやってきたサポーターも大喜び。ゴールを決めた瞬間何人かのサポーターはピッチの縦幅くらいあるスタンドの芝の部分を走り回る。こんな自由な喜び方は芝ではないとできない。少数精鋭であるが勝利を見守る為にやってきたサポーターが喜びを爆発させている姿は、子どものようだった。この良さはゴール裏に椅子がなく芝だからこそ、そしてJ3ならではの楽しみ方ではないか。もちろん人がいればいるほど応援には迫力が出る。だが、こんな自由な喜び方はできない。少しサポーターが羨ましくなった。

「酒とつまみとサッカーin芝」
 
 真昼間からビールを持って、好きなチームを応援する。これは野球とサッカーは特に気持ちの良いものである。酒とサッカーとつまみは最強の組み合わせだろう。しかも今回ゴール裏は芝。ゴール裏には40代以上の人たちがブルーシートを張って、簡易的な机を用意しながら、お酒とつまみで嗜む。天気も良いと最高な環境があった。ゴール裏はサポーターのためのものと言われることも多いが、ここまで自由な空間があると、まるで家で試合を見ているような感覚がゴール裏にはあった。

ゴール裏はサポーターのためのもの。もちろんこれを否定はできない。チームの勝利の為にクラブと共に戦い、どこで試合をしようが彼らがゴール裏にはいる。サポーターの応援の価値は本当に必要となるのは、先日のアンフィールドで誰もが実感しただろう。声や雰囲気はあのバルセロナですら狂わせるし、不可能なことを可能にしてしまうのだ。

 だが日本には日本ならではの雰囲気もある。地元の人が気楽に立ち寄れて、試合を見ながら酒を飲む。そんな文化も微笑ましい。J3に行ってそんなことを考えた。Jリーグはカテゴリーによって観客数や規模は違ってくるが、サッカーをカルチャーとするなら、地域密着は重要。地元の方が試合を作り、クラブを支える。その伸びしろは沼津に行って実感した。

 これからどんどん行ってないスタジアムは行き、いろんなカテゴリーを見ていきたいです。代表の成長だけで日本サッカーは成長しないし、J1が盛り上がれば、日本のサッカーが盛り上がるとは限らない。多くの人から触れられていないサッカーがどこまで伸びるかのか、もしくは伸ばすのに関わりたい。

サッカー選手やクラブ、試合分析は書いているけど、あまり、ピッチ外の部分、サッカー×〇〇を研究し、サッカーカルチャーを考えていこうとはしていなかった。だが、サッカーについて考えることはやはり楽しい。まだ就活があるので落ち着いてきたら、、色々やりたいね。

就活生です。サッカーばかりでしかもコアなところを攻めています。少しでも驚き、笑いがあった方はサポートお願いします。