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「フランス2部から僅か2年半でプレミアリーグ制覇。アフリカ最恐のドリブラー。」

マフレズ カンプール→ルアーブル→レスター→マンチェスター・シティ



 本名リヤド・マフレズ。細身ながらもスルスルと抜けていくドリブル、自らシュートコースを生み出し、右45度からゴールを決める。ボールを持っていて、前向きだろうが後ろ向きだろうが相手を一瞬で抜くこともできるテクニシャンだ。そんなマフレズはあのミラクルレスターで世界のサッカーファンに名を通したが、それまでのキャリアは決してエリートのような道のりではなかった。

 フランスのサルセルという街でアルジェリア人の父とモロッコ人の母の下で生まれたマフレズ。幼少期はAASサルセルというクラブでサッカーを始める。決して恵まれてはいないグラウンドで毎週練習し、その後フランスのアマチュアクラブであるカンプールというクラブでプレーした。サルセルという街で育ったマフレズ。子どものころにアルジェリア人が経営する美容室に通っていたのだが、現在はプレミアリーグでの活躍により、マフレズに憧れる子どもたちがわざわざ遠いところから髪を切りにくるようになったようだ。いつの間にかマフレズは街のアイドルになっていた。

 カンペール移籍後はBチームでプレーしていたが、そこではチームメイトであり、ポール・ポグバ(現マンチェスター・ユナイテッド)の兄であるマティアス・ポグバ(現トゥール)とルームメイトだったらしく、どうやらステーキとポテトをよく食べて、サッカー選手らしからぬ食生活であった。マフレズはカンプールで現在同様自慢のテクニックで翻弄し、宝石と称されていた。クラブの役員によると練習に訪れるマフレズは歯ブラシと歯磨き粉、そしてスパイクだけを持ち運んでいたというエピソードもある。

プレミアリーグでしのぎを削り合う2人。思わぬ縁があるプレーヤーであった。

 そしてカンプールでプレーしていたマフレズはフランスのサッカーチームの中でも特に育成面で定評があるル・アーブルに移籍。どうやらパリ・サンジェルマンやマルセイユから興味も示されていたようだが、フランスの2部チームでじっくりと経験を積むことを選んだ。ル・アーブルでは最初はBチームでのプレーであったが、12/13シーズンからトップチームのレギュラーに定着。現在もチームメイトであるバンジャメン・メンディー(現マンチェスター・シティ)やマキシム・ルマルシャン(現フルハム)などとプレーし、34試合に出場し4ゴール6アシストと結果を残す。

ル・アーブル時代の2人。髪型ほぼ同じやん。仲良しだったんだろうな。

 2年目の13/14シーズンも前半戦からウィンガーとして起用されると、冬の移籍期間でレスターからオファーを受け、移籍を決めた。どうやらレスターは当時ル・アーブルのエースであったライアン・メンデス(現アル・シャージラ)を注目していたようだが、最終的にマフレズを選択した。

 シーズン後半からは初のイングランドでの挑戦となったが、チャンピオンシップ首位を独走していたレスターでレギュラーを掴む。アントニオ・クノッカール(現ブライトン)とサイドから鋭い仕掛けで、チャンスを演出し、19試合で3ゴール5アシストを記録し、昇格に貢献した。プレミアリーグ昇格初年度は33節まで最下位という状況であったが、34節から驚異の粘りを見せて、残留を決めた。マフレズ自身もサウサンプトン戦で2ゴールをあげるなど、翌年の躍進を匂わせる活躍を示した。

 そして15/16シーズン開幕戦から3戦連発もあり、前半戦だけで13ゴール7アシストと大暴れ。首位攻防戦となったマンチェスター・シティ戦でも1ゴール1アシストの活躍で、首位をキープし、ミラクルレスターを作った1人となった。この活躍もあり、PFAの年間最優秀選手賞やアフリカ年間最優秀選手賞を受賞するなど一気にスーパースターの仲間入りを果たした。

個人的に記憶に残っているゴールがチェルシー戦での右45度からのシュートやマンチェスター・シティ戦の中央突破からのゴール。ジェイミー・ヴァーディーとの相性も抜群でした。 

 16/17シーズンは2年目のジンクスに近いものもあり、レスターは相当苦しい戦いを過ごしたが、初挑戦のCLではベスト8まで進出。マフレズもグループリーグで4ゴールをあげ、CLでも実力を示した。17/18シーズンはシーズン半ばにトランスファーリクエストを提出して退団すら噂されたが、シーズンを通して12ゴール11アシストとコンスタントに結果を残す。創造溢れるアシストやカットインからのミドルシュートなど度肝を抜くようなプレーが多く見られた。レスターでの成績、特にプレミアリーグ昇格後はほぼ無名だったアタッカーだったが、僅か2年で最優秀選手になるまでに飛躍した。

 そして18/19シーズンにマンチェスター・シティは6000万ユーロを支払って、マフレズを獲得。レスター移籍時は45万ユーロで移籍した男は100倍以上の価値を上げて、ビッグクラブへ移籍した。アルジェリア代表のマフレズはご存知の通りヴァイド・ハリルホジッチ(現ナント監督)に抜擢されて、代表デビューを果たした。どうやらル・アーブル時代から目を付けていたらしく、無名の段階から才能は感じさせられていたようだ。

 マフレズの世界一だと思うプレーは後ろ向きでもあっさりと相手を交わせるドリブル。タッチライン際でボールを戻すのかなと思いきや、左足のアウトサイドでクっと方向を変えて、相手と入れ替わってエリア内に入ってくる。あれはなかなか止められない。というか初見ではおそらく無理。マジシャンと称されるボールタッチの柔らかさはマフレズならではのスキルだ。

今回はここまでです。

最後までありがとうございました。

就活生です。サッカーばかりでしかもコアなところを攻めています。少しでも驚き、笑いがあった方はサポートお願いします。