食べたいものは今日のうちに。 やりたいことは今日のうちに。 明日のために生きるな。

とある地域のイベントに参加した。小規模だけど、屋台が立ち並んで久しぶりにお祭りに来た気分。私は一人、椅子に座り、たった今屋台で買ったカリカリに揚がったたい焼きを食べていた。その時。近くに座っていたあるファミリーの会話が聞こえてきた。

「ママは食べたいと思ったものは今食べる!明日どうなるかなんてわからないんだから!」

子どもに向かってお母さんがそうサラッと言っていた。サラッと言っていたけど、この言葉の裏にはたくさんのことが詰まっているように感じた。そのお母さんが過去にどういう経験をしたのか、詳しくは知らないが、宮城県の東日本大震災の被害を受けた沿岸部の地域に滞在していたこともあって、震災を経験された方なのだろうと(勝手に)推測した。

宮城県に滞在中は、東日本大震災で津波を経験された方や被災地でボランティアをされた方々にお会いし、当時の話を聞く機会にも恵まれた。そういう方々の話を聞いていると、「今を楽しむ」という人生哲学のようなものが、彼ら彼女らの心に刻まれているように感じた。

象徴的な言葉は、「明日のために生きない。」というもの。実際に震災を経験したからこそ、言葉一つ一つに重みがあった。「今を大切に。」そういう風に私も生きていきたい、と思った。

どんな明日が来るのか、わからない恐怖に怯えて小さくなっているよりも、今生きているこの瞬間を、一分一秒を、楽しく生きていけたら幸せだなぁと思う。

食べたいものは今日のうちに。やりたいことは今日のうちに。会いたい人には今日のうちに。今できること、したいこと。明日にやり残すことがないように。

大切なことを改めて思い出させてくれた。

宮城を離れる時、ある人が別れ際に、「楽しい人生を!」と、まるで映画のワンシーンで使われるセリフのように言ってくれた。心が「カッコいい!!!」そう言って喜んでいた。私もいつか誰かに、カッコよく、「楽しい人生を!」そう言えるように、これからも日々楽しく、自分の内側から溢れ出てくるワクワクに従って生きていきたい。

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