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【小説】終焉。僕は君らとこの物語を変えられるの、かな?4

第三章:豊穣の女神。そしてこの世界のお伽話。其の二

この星には大きく分け二つの力がある。
一つは、科学だ。この世界の科学は「相手を蹴落とし、蹴り落され」を繰り返し進化していった。
そして、二つ目は「星脈せいみゃく」から力を得て戦う者たちだ。
「星脈」それはかつてこの世界に生れし神が、己の力をこの星に注ぎこんだことにより生まれたものだ。その「星脈」は一部の人間にも影響を与えた。
そして、その影響を受けた者たちを「星生を受けし者」リアスターと呼ぶ。だが、この何千以上という歴史の中で「星生を受けし者」リアスターの名が出たのは、百年ほど前の話だ。

人の世界は、様々な村や町そして国で成っている。この世界もそうだ。4つの大陸に大きく分け4つの国になっている。
「殺戮の科学で繁栄し。西の大国家<聖ルミナス>」
「侵略の科学で繁栄し。北の大国家<アクト>」
「防衛の科学で繁栄し。東の連合国<ゲステア>」
そして、
「星生の加護で繁栄し。南の大陸<ミドラス>」
<ミドラス>その地は百年ほど前まで人類は到達できないと思われていた。理由は単純だ。自然の脅威に対抗できなかったからだ。
だが不自然だった。その脅威は消えることなく、あり続けるのだ。
何千の年月と共に。科学の力も無慈悲に打ち消される。
この3大国は未踏と思われる、この大陸を手に入れたくて必死だったのだ。
だが、奴らは愚かだ。
千年以上前この場所で、世界で起こった悲劇を。世に絶望を与えた<亡魔スレイン>のことも。神も。全て、理不尽に。不自然に。忘れ去って…
☆                       ☆                           ☆

世界はイタズラか。一刻一刻は遊戯なのか。
でも、これは人が知れるような事ではない。
世界とは面白い。何があるかわからない。
思いとは不思議だ。だって…交差するのだもの。
        そして…
ある者は誓う。「次こそは、大切な者を亡くさない。自分の未熟さで。」
ある者は請ふ。「この理不尽な世界に、心の拠り所を得るために。」
ある者は進む。「その悲しみ、失望で自分を蝕みながら。」
ある者は欲す。「破滅の道…絶望を噛みしめながら。」


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