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パルコ・プロデュース「世界は一人」を観てきました!

作・演出:岩井秀人
音楽:前野健太
出演:松尾スズキ、松たか子、瑛太、平田敦子、平原テツ ほか
劇場:東京芸術劇場 プレイハウス
観劇日:2019年3月16日 ソワレ

ハイバイの岩井秀人さんの新作。しかも、実力派揃いの出演陣。当然、期待してしまいますよね。面白くないわけはないと。

広いステージを生かした舞台に、ミュージシャン達も板に就いて。いかにも演劇的なセリフと演出で幕が開きました。回る装置があったのですが、まさに、物語が回り始めたという印象で......。

高度経済成長期に製鉄で栄えた町が、その後、海から吸い上げた汚泥にまみれて。そんな町で育った子供たちの過去と現在を重ねて。現実的には理解できないが、演劇的には作者の意図を読み取れる “見立て” の技法も巧みに取り入れていたように思います。

この作品のポスターに、左右反転のものがあったように、裏と表、光と陰、そんな相対するものがテーマになっていたのだと思います。ですが、ハイバイで上演する作品に比べると、“見立て” が行き過ぎていて、感覚的すぎると感じる描写も多く、わかりづらかったかなぁと。

それでも、観後感は悪くなかったです。中盤にもやもやした気分が、終盤にはすっきりしていました。自分なりに咀嚼できたというか……。なんといっても音楽がよかった。それを、登場人物の声として歌える出演者たちも素晴らしかったです。ストレートに心に刺さりました。松たか子さんは、やっぱり力がありますね。松尾スズキさんは、この作品の世界観に符合するべく、ものすごく頑張ってらっしゃったと思います。

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