それが、唯一の価値基準ではないと信じたいんだ(2)


イタリアには「年収」という言葉で今ある生活をみる文化がない。
「貯金」ももちろん必要ではあるけれど、

それも彼らにとっては、
一つしかない心を覆ってしまうようなトピックではない。

彼らにとって大事なことは、
それぞれの瞬間を喜べて生活できているかということ。


だから、

コーヒーの香りが良いことの方が、

三食一緒に人と笑いながらご飯を食べれることの方が、

本屋さんに心に残るような美しいカバーの本が並んでいることの方が、

ずっと大事。

僕もイタリアに出会う11年前までは、
他者比較をすることでしか良い人生は持てないのかと思っていた。

でも、彼らと生活する中で、
必ずしもそれが正解ではないのかもと思うことができた。

世界の反対側に住んでいるイタリア人にとっては、

毎月25日の給料日に列を並んで、
残高の数字が大きくなっていることを確認するよりも、

職場で同僚に明るく挨拶をして、
家で好きな人とハグやキスをしている瞬間の方が幸せ。



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続く。

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