僕はここで死ぬのか。死を悟ったあのアブダビでの、あの日、あの時。 (1)
僕は個人旅行で、
事故被害件数が高いエクアドルのグアヤキル、
殺人や誘拐を引き起こす反政府武装グループが存在するという
日本の外務省からも渡航中止勧告が出ているパラグアイのコンセプシオン
に行ったことがある。
どちらも、以前に知り合った友達を訪れる事が
目的だったから、常にその友達と一緒にいて、問題はなかった。
ただ、街の夜の怖く怪しい雰囲気は今でも覚えている。
旅慣れてる僕でも、また、行くかと聞かれたら、
僕だけでは行けない。怖くて、行きたくない。
あの得体の知れないものが出てきそうな雰囲気。
友達がいないとビビってしまう。
刺されるかもしれないという心配をしながら歩いた街は、その2つだが、
安全器具をつけていなかったら明らかに死んでいただろうアクティビティを
僕はアラブ首長国のアブダビでした事がある。
…
それは、ジープで行う砂漠サファリ。
一面に広がる砂漠をジープに乗って、
ジェットコースターのように駆け抜けるというもの。
日本では絶対にできない体験の一つ。
機会があったら、ぜひやってほしい。
同国ドバイでも同じ経験をした事があるが、
子どもを連れているなら、
雰囲気を楽しむ事を目的に、
砂山が小さいドバイを、
心臓がエグられるほどのスリルが欲しいなら、
ダントツでアブダビを勧める。
2つの砂漠を別の言葉で比べる。
ドバイの砂漠が東京ディズニーランドの
幼児用ジェットコースターなら、
アブダビの砂漠は富士急ハイランドの
絶叫系アトラクション。
明らかに別物なのだ。
アブダビのジープサファリは乗っている途中は
横の人と会話をできる余裕がまるでない。
終わってからも、30分は休ませてと懇願したくなるくらい、
アドレナリンが大量に放出される。
…
最初はこれでもかというほど、落ち着いた雰囲気なのだ。
体育の授業で全力で体を動かす前に準備運動をするように、
砂の景色の中にゆっくり溶け込む事から始まる。
ただでさえ普通に走っているだけでも、
砂漠が初めてな人には全てが新鮮。
僕は中東にいる時に、一生分のラクダを見たが、
砂漠では本当にたくさんのラクダを見る事ができる。
一面砂砂砂という特に何もない光景でも、
それが初めての経験だから、
色々なものが目に入ってきて指をさしながらパートナーと会話をする。
そのゲストが楽しん慣れてきた事を確認すると同時に、
「はっじまるよ〜〜!」とでもいうように、
ドライバーは豹変する。マジで、豹変する。
アラビア語の音楽をこちらが要求もしていないのに
爆音で流し始める笑。
ものの2分もしない間にだんだんと速度を早くして、
他のジープの後に連なって、
デコボコした砂漠の山道を行くことになる。
あのジープが列をなして、何もない砂漠を走っているのを見るのは、
冒険感いっぱいで気持ちが良い。
ゲストは「ワーオ、ヮーォ」と叫びながら、
そのジープの動きを楽しむ。
窓からの景色は一色黄色ですごく綺麗で興奮するし、
ジープが予想もしていない方向に向かっていくのも面白い。
ここまではドバイの砂漠もアブダビの砂漠も一緒。
そう、死にそうになるのは、ここからだ。
アブダビ編、始まり、始まりー。
…
僕はここで死ぬのか。死を悟ったあのアブダビでの、あの日、あの時。(2)
へ 続く
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