旅をするにあたって、現地の人と関わることの大切さ

思い出に残る旅には、いつも現地の人との関わりがあった。

世界的な観光名所をお客様を添乗してまわることを
日々の船で仕事としていた僕にとって、
観光名所に行くことや美味しい料理を食べる事はどこか慣れきっていて、
既に、魅力や面白さを感じなくなっていた。

あれ…僕にとって、楽しい旅とは、どんな旅だっただろうか。

目を閉じてると、すっと出てくる懐かしい光景があった。

東京観光をしていた香港人に僕が声をかけて仲良くなり、
僕が香港に行った際には、一番美味しいレストランを予約してくれて、
4人とはしゃぎながらご飯を食べて再会を楽しんだ。

イタリアのミラノの空港に着いたら、
サプライズで僕より年齢が上の30代の友達が7人も待っていてくれて、
嬉しくて叫んで、皆んなでピザを食べて、
その後、ビールをガバガバと呑みなおした。

アメリカで仲良くなったモロッコ人の友達に会いにモロッコに行ったら、
そこには日本に行った事があるという、その友達のお父さんが現れた。
その友達のお父さんが家で見ているテレビ番組が偶然、
日本のNHK WORLDで、
そこから何時間もモロッコ人から見た日本について話した。
その友達とマラケシュまで車を飛ばして、リヤドという場所に皆で宿泊をした。

仕事を通して、あれだけたくさんのことをオプショナルツアーに添乗したのに、
覚えているのはいつも現地の人とゆっくり過ごした思い出だけだった。

イタリアのホストファザーが昔、言った。

「美しい景色の写真をとっても、
 そこに人が写っていなければ、
 その写真は意味をなさない。

 だって、そんな写真、他の人がもう何千回と撮っているんだから。

 人と一緒に写る写真とは価値が違うよ」

その時、その場所でしか、出逢えなかった友達と共有した思い出で、
僕達の人生は満ちている。
日常が忙しくても、その思い出が元気をくれる事がたくさんある。

もしあなたが観光名所をまわる旅を他の国でしているのなら、

駅前でパン屋から出てきたあの人や
夜ご飯を食べに入ったレストランのシェフに声をかけてみよう。

「このお店に行きたいんだけど、どうしてもわからなくて」
その一言から発展する会話があるかもしれない。

僕が今繋がっている友達も、なんでもない街角やイベントで、
必然的に会話をかけて、関係を作った人たち。

その人たちと思い出を共有して、

同じ人生で今度は「仲良し」として、

何度も会うのだから面白くて笑えてくる。

現地の人と関わる旅はあなたの心に深く残る、
覚えていて損はない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?