今から、僕は「原宿」を、全面、ペンキで白く塗る。(2)
その街の雰囲気は原宿と極端なほどに似ていた。
…
一歩進めば、そこには新たな刺激が待っていて、
たくさんの人でごった返す。
レストランも、ローカルなものから、
イタリアン、寿司まで
なんでも揃う。
どこに行けば良いのか、
どこを見れば良いのか、
わからなくなるほど、目が移ろう。
通りは狭く、人人人。
あたりは店で溢れている。
…
でも、窮屈で嫌な思いがするかというと、
全然しない。
むしろ、人混みの中にいる、
誰でもない「無」の自分、
その感覚が病みつきになる。
…
右にも、左にも、
楽しそうな小道がたくさんあって、
まるで不思議の国に入り込んだみたい。
気がつくと、その生活感がある場所で、
子どものように全てに関心を示す
僕がいた。
…
今から、僕は「原宿」を、全面、ペンキで白く塗る。(3) へ
続く。
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