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世界は全滅すればいい

その世界という囲いをなぞり押す親指ぐらいに小さなことは、気にしないように気にしている。屋上に広がっている白くてプール映えした寝椅子に座っているあたしが経済というのかもしれないし、そんなことは知らない。
すみませんすみません、すみません、触ってもいいですか、な、展開をしておるわけではありませんがよろしくお願いしますね、と、おじさんが話かけてくる。いいのかと思うけど、あたしのいいねは放ってしまう。

世界が全滅すればいい

去年の夏練がなつかしい。ありきたりな彼氏の名前の由来は諸説あって何度も何度も繰り返し言ってもらったけど覚えてない。残念ながら。おじさん。判断をしようか。全滅する世界と、その全滅と君の間にあるプールみたいな大きな水。洪水が、いきったまま覆ってゆく。武器を持つ。武器を持っている。
おじさん、君もだ。

全滅が全滅すればいい

太陽が滞る夜雲がいい夏は
言葉が思想が
小さな感性の世界が
最低限の眼差しが
ものかなしい
世界と自分が
世界と自分の関係が
甘ったれた感性が
透明なままで水浴びをする
ばかばかしい

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