さて、個人的な欲求で進めた「No name」編は完結。かつての友人たちの分を書き出す事で、また一つ理解が進んだ。現在は名前を伏せたままだが…いつか彼らがファンを増やしたいと願った時に、多少の改変を挟んで贈ろうとおもう。

そも健やかであれば、何も問題はないがね。

今回は久々の番外編。そもそもファンづくりの為には何が必要だったかを深掘り。ちなみに作者は上質な「理念」に非常に食いつきが良い。「責任感×親密性×戦略性」で、良き結末への道筋を大事にするからだ。それでははじまりはじまり。

大義とは、物語のあらすじ。

結論から言うと、私は「その物語を紹介する際のキャッチコピー」と定義している。

ワンピースなら「海賊王になる」。NARUTOなら「火影になる」。進撃の巨人なら「壁の向こうへ行く」/「自由を取り戻す」だ。

そこには必ず一貫性があって、主人公はその約束を果たす為に挑み続ける訳だ。当然人間なので迷う事も多々あるが…その度に仲間からの叱咤激励があると尚良し。

“色々寄り道したり失敗もするけれど、それでもきっとそこへ向かい続ける” という信頼が肝になるのだ。

では、ブレない為には？

そうして宣言した大義を貫ければ、何も問題はないのだが…。そもそも、表面意識での誓いを守れる人はいったいどれだけいるだろうか？「責任感」「親密性」などがあれば、多少後付けでもなんとかなるのだが…多くの人には、とても厳しい。であれば、重要なのは「己の根源」と向き合う事だ。

①「しない事」から始めてみる。

正直な所、「何がしたいか」より「何がイヤか」の方が言語化しやすい。

虫が嫌いな人は、絶対に虫に近付かないと誓約出来る。
上司に逆らってしまう人は、必ず独立すると誓約出来る。

意思に依る誓約よりも、忌避に依る誓約の方が守りやすい。

朝はゆっくりしたいとか、毎週末は旅行させて欲しいとか、自室で引き籠らせて欲しいとか。まずはひたすら書き出してみよう。

まずはそうして、己が既にしたい誓約を言語化するのがオススメだ。

②理想の最期を想ってみる。

道中がどうなっているかは誰にも判らないが、どんな最期を迎えたいかは誰でも想える。家族に囲まれているかもしれないし、旅先で人知れずかも知れない。書斎で眠るように、戦地で華々しく、工房で筆を握りながら。人の数だけ最期があって良いが、貴方の最期は貴方の理想であるべきだろう。

何もまだ明確で無くても良いが、そこにあった「人」「物」「言葉」「光景」位は思い付くはずだ。どうせ死ぬ事は決まっている以上、生前からそこへ進めば幸せな老後へ至れる。後は逆算で、人生設計も可能だ。

③始まりの想いを思い出す。

コレは非常に難易度が高いかも知れない。人によっては、強烈なトラウマを抱えていたりもするので…自身の覚悟が決まっている場合にのみ進んで欲しい。

方法は色々とあるが、この「無名時点」の読者であれば…「5つの才能の、象徴的なエピソード」を書き出すのが良い。それが幼ければ幼い程、根源へと近づく。

兄弟とゲームしていたときや、先生との約束を守り続けた事、場合によっては、自身の願いが叶わなかった事さえも思い出してしまうかもしれないが。

そもストレングスファインダーで出て来た資質こそが、「無意識下で続けて来た己の習慣」の集大成だ。直接的に、己自身に課してきた誓約。上手く言語化に成功すれば、元々ブレていなかった己の大義に気がつけるだろう。

④「信念」「自己確信」の人を観察する。

実はコレが1番手っ取り早い。誰に言われるでも無く、ただ己の信じる道を歩み続けた者。彼らの生き様そのものが理想的な大義なのだから。日々対話を繰り返す事で、その圧倒的なブレなさに気がつくだろう。

逆に凄すぎて、自信を無くさないように気をつけて欲しいくらいだ。

その上で、「こういう世界が見たい」という望みに気づく。

さて、そんな「己自身の誓約」を手にしていただいた所で…いよいよ大衆を巻き込む「大義」の定義へと進もう。

ズバリここは、「世界がこう在ってくれたら完璧なのに！」という幼児性が肝だ。

己に出来る範囲で、己の世界を作り上げたけれど…それでも尚、もはや世界を変えなければ満足出来ないという渇望こそが大義だと考える。当然、大衆が共感してくれればベストだが。ココは正直、どれだけニッチでも本心から生まれた物なら大丈夫だ。何しろこの少し先の「キャラ経済」の時代においては、こういった独自性がある物語の方が価値が生まれる。むしろ積極的に性癖を極めるぐらいの正直さこそが重要なのだ。

何かしらの参考になれれば幸いである。