二つの機械鎧が夜空から巨大な異形を睨む。

＜コントロールへ、こちらアンジュ、敵性体は爬虫類型・全長約40ｍ、かなり大型です＞

＜大きくてもやる事は一緒でしょ。カミラからコントロールへ、交戦許可を＞

「侵食」と呼ばれる現象が生物を汚染し、人類に牙を剥く存在……「敵性体」を生み出すようになって一年も経っていない。
しかし人類には確実に滅びが迫っていた。現代兵器は悉く無力であり、侵食地域の拡大も進む一方だ。

≪こちらコントロール、両名に敵性体との交戦を許可≫

＜後れをとるんじゃないわよ！＞

急降下するカミラの手から鋭い爪が伸びる。

＜毎回突っ込んで、フォローは結局……＞

アンジュも剣を構え続く。

ザシュ！！

蜥蜴じみた異形の首筋をカミラの爪が切り裂いた！
しかし……

＜再生能力！？＞

――だが、人類の希望はまだ断たれていない。

＜コントロールへ、こちらアンジュ、制限解除を要請します＞

≪こちらコントロール、両名の制限を解除≫

【続く】