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闇の地獄魔法少女パッション★ヘルゲート!【第8話】

第7話に戻りたい?
第8話「ペース配分大事だよ!」


魔獣の出現件数は増加の一途を辿っている。民間魔法少女の自警団的活動では対処しきれず、対魔法犯罪課等の公的機関所属魔法少女が駆り出されるケースもあるのだ!


「仕方ねえ、やるか!」

建物の隙間に身を隠した穂村が懐から取り出したのは真鍮の懐中時計……否、只の懐中時計ではない。
変身道具、パッションクロックだ!仲間との連絡や魔力探知にも使える万能の一品!
蓋を開け、変身体勢に入った穂村はふと異変に気付く。

(魔力反応が……二つ?)一つはあの魔獣の物だ。ではもう一つは?
その答えはすぐに出る事になった。頭上からチョコレートパフェじみた甘い声の口上が響く!


「甘くとろける旋律ぅ!シュガーシンフォニーっ!!」

小柄な魔法少女が前宙で魔獣の約3m前方に飛び降り、可愛らしい杖を構える!砂糖菓子じみた少女趣味衣装!


「……しばらく様子を見るか」穂村は何時でも変身できる状態で待機する。

「ビルルルーッ!」魔獣がシュガーシンフォニーを睨む!
「えいっ、ミルキーウェイカノン!!」シュガーシンフォニーは純白の光の渦を放つ!
更に魔法の光は星屑の如く拡散し、魔獣を呑み込まんとする!


「初っ端から大技だな!大丈夫か!?」穂村が影から案じる。


確かに当たれば一発で片がつくだろう威力だ。当たれば。
「キシャーッ!」魔獣は俊敏な動作で大ジャンプ回避!
「あれ、どこっ」シュガーシンフォニーは咄嗟に後退。直後彼女が寸前まで立っていた位置に魔獣が着地!間合い約1m!
「ビルビルビルーッ!」魔獣は粘液に塗れた何本もの舌を伸ばす!
「ひゃあー!やだーっ!」シュガーシンフォニーは杖を回転させて振り払いながらバックステップ。間合いを取り、杖を振り上げる!

「ハニーハーモニー!!」蜂蜜色の魔力弾が雨霰と降り注ぎ、魔獣を襲う!

「フシュルーッ!」直撃を受けた魔獣がたたらを踏んだ!「それっ!」シュガーシンフォニーは追撃を構えたが……!
「キシャーッ!」「ひゃあっ!?」大きく裂けた魔獣の口から粘液が吐き出された!シュガーシンフォニーは直撃を受け、思うように身動きが取れぬ!「なにこれっ……!?」
「ビルルルーッ!」戸惑っている間にも魔獣は彼女の小さな体を押さえつけ、多数の舌を蛇めいて絡み付かせていく。


「これは不味いな……パッション★チェンジ、ヘルファイア!!


パッションクロックに五芒星模様が浮かび上がると、それが地獄の炎に変わって一瞬で穂村の全身を包む!
私服が燃えるように消え去り、炎の中から現れたのは赤鬼じみた革ジャケット風衣装!!


第9話に続くのよ!

スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。