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闇の地獄魔法少女パッション★ヘルゲート!【第7話】

第6話に戻りたい?
第7話「一難去ってまた一難!」


レポートとは何か……!?この場合は大学の単位を取得する為に提出が必要な課題論文の事である。
そう、彼女達の表の姿は普通の大学生なのだ!

魔法少女群雄割拠時代においては専門の魔法少女育成校も存在するが、彼女達は魔法少女である事を隠し平時は一般学生として活動している。
所謂クラシック・スタイルだ。


伊吹山穂村は自室に籠り、PCのモニタに幾つもの参考文献や実証データをマルチウィンドウ表示させる。一方原稿データは白紙のまま。

「書き方がわからねぇ……」

ペンやメモ用紙、USBメモリ等が乱雑に置かれた机の前で穂村は頭を抱える。その脇には黒山羊の頭とドラゴンの体に六枚の翼持つぬいぐるみめいた存在あり。

「なんじゃ、また論文が書けぬのか」
「ああ、そうだよ!あんたなら何でも知ってるだろ」
「わらわを頼る気ならば、実に愚かじゃな」

この胡乱存在の名はサイファー、穂村達パッション★ヘルゲートの皆に大いなる力を与えた者なのだが……どう見てもそんな雰囲気は感じられない。
口調こそ時代がかっているが、それに似合わぬ若々しい声が奇妙な印象だ。

「大体データを切った貼った小細工して御託を並べるとか、俺には向いてねぇ」
「……とりあえずどのように論を展開するのか、其処から整理するのじゃ」

((やってみるか……))

そもそも穂村は家が大工で、彼女も家業を継ぐつもりだった。
しかし姉に「これからは家を建てるにもインテリジェンスの時代だ」等と丸め込まれ、大学の建築学科に進む事になったのである……。

((まぁまだ時間はあるし、困ったら人に聞けばいいよな……))

データを表に起こしながら文章を打ち込んでそれっぽい形式にしていく。彼女にとっては何時もの手口だが……。

「しまった、新しいUSBを大学に忘れた!!」「何という迂闊じゃ!?」

USBメモリ内の最新データがなければレポートの完成は不可能、しかし今から取りに戻るには遅過ぎる。
現時点で可能な限り書き進め、明日朝一で回収せねばレポートは提出期限に間に合わないだろう。
オンラインクラウド等にデータを移し忘れたが故の痛恨のタイムロス!


彼女は不貞寝した。


翌日、何時もより早くキャンパスに駆け込んだ穂村が目にしたのは……!

「ビルビルビルーッ!!」「「きゃあああぁー!?」」

全長3m以上、肉食爬虫類と猫科猛獣のハイブリッドじみた体毛なき悍ましい痩躯!不釣り合いに大きい頭部は分厚い鱗に覆われ、大きく裂けた口からは何本もの長い舌が蛇めいてちらつく。

「げえっ、こんな忙しい時に魔獣かよ!?」

魔獣……それは何らかの魔力関連問題で変異・凶暴化した生物の事である。
当然魔力関連問題なので、魔法少女でなくば対処できない!


第8話に続くのよ!

スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。