クリス・カイルはテキサス州の生まれで、カウボーイの生活に憧れながらロデオに明け暮れる日々を送っていたが、アメリカ大使館爆破事件のニュースを見て、海軍に入って国を守ることを誓う。

厳しい訓練に耐え抜いたクリスは特殊部隊シールズに配属される。

訓練中に出会った恋人タヤと結婚をして公私ともに充実した生活を送っていたが、アメリカ同時多発テロ事件をきっかけにイラク戦争が勃発し、クリスもシールズに一員としてイラクに派遣されることになる。

クリスはシールズの中でも随一の狙撃手で、その技術と判断力から次々と戦果を収め、やがて軍の中でも"伝説"と呼ばれるまでになり、敵からは"悪魔"と呼ばれて懸賞金をかけられるまでになった。

一方、敵陣にも元オリンピックの射撃選手だったムスタファの存在があり、1,000m離れたところから正確に撃ち抜くその技術は、アメリカ軍を苦しめていた。

クリスは任務を終え、一時帰国した際にも戦時中のことが頭から離れず、常に臨戦態勢の状態となり、タヤから心ここにあらずとの指摘を受ける。

タヤとの間には2人のこどもを授かるものの、イラク派遣と帰国の繰り返しでいつも頭の中にはイラクで戦っている仲間の存在があり、家族の絆に亀裂が入る場面もあった。

そんな中、また派遣されたイラクで、同じシールズに所属している仲間がムスタファに射殺され、必ず復讐を成し遂げることを誓う。

果たして、クリスは見事復讐を成し遂げ、愛する家族のもとに戻れるのか。

これは、ひとりのアメリカ人として、またひとりの軍人として生き抜いた人間の実話で、戦場でのプレッシャーや苦悩など、私生活と入り乱れてしまう様を見事に表現している映画だ。

この話が実話だとしったとき、やはり作り話にはない別の感動があるように感じたので、ノンフィクションには何とも言えない興奮がつきまとう。