ゲームレビューを書く時に気をつけていること(ジョジョASBレビューを例にした覚え書き)

以前、ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルについてのレビューを書いた時に、Facebookにそういうゲームのレビューを書く時にどういう点について気をつけたのかをまとめたので、noteに転載してみます。例によって投げ銭制です。お金を払わなくても全文読めますが、気に入ったら100円の投げ銭をお願いします。

なお、元になったレビューはこちらです。先にこちらを読んでからこの記事を読むことを強くオススメいたします。

【炎上なう。「ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトル」は実際どうなのか検証してみた】
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20130903/E1378148770466.html

--本文ここからです

1.いつものレビューで気をつけていること

・褒めるところは褒め、悪いところは悪いと言う
レビューなんだから、いいところはいいと言って、悪いところは悪いというのが当然です。悪いところは必ず書かなければなりません。ただし、物語に関してはいい悪いとは言いません。物語は特に受け取り方が千差万別になるので、「自分としてはここで●●が死なない方が良かった!」とか言っても公平なレビューにはならないからです。
なので基本的にはUIとかそういう部分を悪いと言います。こういう使い方をしたときに、こうなっているのは使い勝手が悪い、という表現です。この部分で客観性が無いといいレビューとは言えないので特に気をつけています。

・制作者に対するリスペクトは忘れない
基本的には喧嘩を売りたいわけじゃありません。よく、一つの欠点を見つけたらその作品はおろか全人格を否定するような表現をする人もいたりしますが、それは見ていて気分のいいものじゃありませんよね。なので、悪いところを悪いというときでもリスペクトは忘れずに、そこの部分だけが悪いといいます。
今回の記事ではわざと1カ所だけここに反するような部分があるのですがそれは後述。

・構成に気をつける
最初から悪いところを列挙すると、その対象を気に入っている人や作った人があまりいい気分にはなりません。なので、いきなり悪いところだけを列挙するようなやり方はよくないと思っています。
基本的には序破急もしくは起承転結がやっぱり日本語の文章と思考法には合っているので、その構成を心がけています。急もしくは転の部分に悪いところを入れます。序破急にするか起承転結にするかは文章の長さと余韻によって決めています。長くなりすぎたら「結」でまとめを入れないと、序盤の方の内容を忘れられちゃうからです。

ここのところを具体的に書くと、序もしくは起では対象の概要をおおまかに説明したあとに褒めるポイントを。破もしくは承では専門的な部分を、急もしくは転では欠点を。そして結では全体のまとめをという構成です。

・専門用語を入れない
専門的な部分を書くと言っても、専門用語は極力使いません。もちろん専門誌に書く場合は専門用語を入れます。でも、たいていの場合は専門用語を入れても読みにくくなるだけでいいことは全くありません。今回の格ゲーの場合、フレームとかの用語は使わないようにしました。

・全ての機能を一通り触る
これはまあ当然なんですが、全てのメニューなどを一回は触らないとダメですね。ついつい自分にとって使い勝手のいい部分だけを触ってわかった気になっちゃうこともあるんですが、やっぱり全部触らないとレビューにはなりません。

・あえてきつい言葉を使う部分を1カ所だけつくる
「この仕様にした人は正気とは思えません」という言葉を一カ所だけ使いました。これはまあ、本当にこの仕様はないと思ったことが一点。それまでずっと誠実に客観的に書いてきたので、許されるかなあというのがもう一点。そして、わざと強い表現にして読み手側のフラストレーションを爆発させるところを作った方がいいかなと思ったところがあります。
こういう悪いところがあると列挙している段階→「そう、そう。」
「この仕様にした人は正気とは思えません」 →「そう! そうなんだよ! 全くだ!!!」
みたいになるかなあと。そうすることで「よく言ってくれた」感が増すわけです。まあでもこれは、今回のようにここが悪い、あそこが悪いと列挙できるときじゃないとやらないテクニックです。普段からできるわけじゃありません。なのでこれは「1.5」に相当するかも。

2.ジョジョなので気をつけたところ

・最初に自分がどういう人であるかを表明する
自分もそのうちの一人なのですが、ジョジョのようにコアなファンが多いコンテンツですと書いている人がその対象をわかっているかわかっていないかがとても重要になります。どんなにいい内容のレビューだったとしても「あ、こいつはジョジョのことを何もわかっていないな」と思われた時点で読まれなくなってしまうからです。
そこで今回は冒頭に自分もジョジョ紳士の一員であること。おそらく平均よりは上の信者力を持っている人なんですよということを明記しました。

・ジョジョの名言を使わない
ジョジョのレビューをするとなると、どうしてもジョジョの名言を使いたくなってしまいます。でも今回はわざとここを排除しました。というのも、文中にジョジョ用語を入れまくると逆に「わかってない感」が出てくるのです。ただ単に名言を使いたかっただけじゃないの、という感じになるわけですね。あと、名言を入れないことによって「一歩引いた立場できちんとレビューをしている」ようになるというのも考慮しました。

・でもジョジョのネタは織り交ぜる
直接的ではなく、ジョジョを連想させるネタは入れました。間接的な方が、ああこいつは本当にジョジョをわかっているんだなという効果が出るからです。「覚悟」のように「」を入れたり、ボス(これはディアボロという意味ではなく……)のような部分がそれです。実際ここに反応してくれる人が結構いてうれしかったですね。

3.まとめ

基本的には「1」の構成で書くと客観性のあるレビューになると思います。そこにさらに「2」の要素、今回はジョジョでしたが、もちろん他のゲームだったらそのゲームに合わせた内容を盛り込むことで、より面白いレビューになると思います。シリーズ物だと前作や今までのシリーズとの比較なんかが「2」の要素になるというわけです。

いいレビューというのは、事実は客観性と公平性に基づき、感想はレビュアーの主観がしっかり書かれているものだと思います。そのバランスについては媒体やレビュー対象、レビュアーの資質などによって変わると思いますので、その辺は数をこなしていくしかないということで。

というわけで、以下はお金を払っても何も無い(投げ銭制なので全文公開しています)のですが、記事を気に入ったらぽいっと100円を投げていただけるとうれしいです。

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