え？スマホどこ？って時、文庫本の下に重ねて見えなくなっているパターンが多いこと発見した。最終的にスマホは鳴らして探せるからいいんだ。失くして困るのはメガネとヘアゴム・・。

　子供は丸い物が好きらしい。子供番組に出てくるメガネの人はすべからず丸メガネだし、公園の遊具も丸みを帯びたものが多い。

　かくいう私も丸が好きだった。フラフープ、ボールが好き。一輪車が好きだったのは、まんまるの上に乗ってちょろちょろ動くのが楽しかったから。
　幼少期Ｅテレでやっていた、何かしらの子供番組のひとコーナーに、公園をゴムボールがひとりでに転がっていく不思議な映像があった。あれも大好きで、無心で見つめていた。

　幼い私の丸好きは物以外にも及んだ。ほら今も現れた。ほらほらまた現れた。文章の区切りをつける、句読点の丸が好きだった。この、きゅっと終わりをしたためる感じ、えんぴつをちいちゃく動かして綺麗な形を作ること、きゅんとくるのだ。

　小学１年生の時、強く記憶に残っているテストの答案用紙がある。
　先生が赤ペンで小さく「数字に『。』はつけなくていいんですよ」と書いた算数のテスト。丸が好きで、丸を書くことに凝っていた当時の私は、数字の答案にも『。』をつけて提出したのだ。

　２－１＝１。　１＋１＝２。　２＋２＝４。

　先生は×をつけたりしなかった、優しく注釈をつけてくれた。私はそれがかえって恥ずかしくて、「わ、わかってるし」と答案の前で１人もじもじして、２度と数字に『。』をつけることはしなくなった。

　子供の頃の思い出として丸が好きと話したが、今も変わらず丸のことが好きだ。
　自分でかけるメガネは丸くないけど、メガネ屋で丸いフレームを見るとふふふと笑みがこぼれる。あと２週間で２４歳になるが、ボールで遊びたい。見た目だけ子供にして公園で延々とボール遊びがしたい。宙に丸をぽーんと投げて、丸が落ちてくる様を見続けたい。

　四畳半神話大系のアニメで師匠は「丸を探して」と歌った。探すまでもないさ、丸は皆の心にある。探したらかえって見つからない、それが丸。