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関わる人みんなが幸せになるストールが生む新たな「幸せ」

ファッションデザイナー村松啓市さんのニットブランド「AND WOOL」のコンセプトは「ちょっと豊かに –JOY FOR YOUR LIFE–」です。これは村松さんの、自分も含めたみんながちょっと良くなるようなことがしたい、という気持ちから生まれたものだそうです。村松さんは服をデザインするだけでなく、そこに関わるすべての人が幸せになれるように「製造から販売までをデザインする」ことを、常に考えていらっしゃいます。

こんにちは、記者のカミュです。連載「村松啓市の仕事」では、世界で活躍するデザイナーの村松啓市さんの魅力や、その作品について、ご紹介しています。今回のテーマは「ちょっと豊かに」です。

■「関わる人がみんな幸せになるストール」とは?

こちらの連載が掲載されている村松さんのnoteには、もう1つ「チーム村松の会議室」というnoteマガジンがあります。

このマガジンでは、毎回、村松さんと村松さんのチームが挑戦しようとしている「クラウドファンディング」について行われている会議の内容が、途中経過の報告なども含めて全公開されているというものです。

そして、このクラウドファンディングで挑戦しようとしているのが、「関わる人がみんな幸せになるストール」と村松さんが仰っているストールの予約販売なのです。

言葉で説明するよりも先に、こちらの動画を見てください。これは、集められたお金がどのようにストールになるのか?そして、どうして関わる人みんなを幸せにするのか?ということが、説明されている動画です。

村松さんは、単に1枚の大判ストールを「デザイン」するのではなく、同時にこの仕組み全体をデザインすることで、「AND WOOL」のコンセプトである「ちょっと豊かに」を実現しました。そして生まれたのが「関わる人がみんな幸せになるストール」なのです。

まず、どうすれば「特別な上質なストール」を作ることができるか?というところから私のデザインはスタートしています。特別で上質なものでなくてはならない理由は、在宅ワークの方に外注する際、十分な人件費を払えなくなってしまうからです。品質を上げて、製品価格を上げなければ、在宅ワークとして働いてくれる方たちは「低賃金労働」をしなければならず、「幸せ」にはなれません。また、お客様にはたとえ多少高額の商品だったとしても、その価格以上に満足していただかなければ、やはりここにも「幸せ」が生まれません。つまり、私たちがやったことは、高額の商品でありながら、購入してくださった方が「この品質でこの価格は安い」と思ってくださるような製品を作ることと、その仕組みを整えることです。

■全国でストールのワークショップを開催

先日、note公式のおすすめ記事にも選んでいただいた、このnoteマガジンの記事『「いいモノを作っただけでは売れない」と知っって取り組んだこと』の中でも紹介しましたが、村松さんは全国でワークショップを積極的に開催しています。

ただ作っただけでは、商品は広がっていきません。私たちの製品は品質も良く、背景には「社会貢献」ができるということもある、すばらしいストールです。しかし、それだけで満足をしていてはダメで、そのことを積極的に「伝えること」が必要です。そのために私たちは、さまざまなところで情報発信やコンテンツの配信をしていますが、お客様1人1人と向き合うことのできるワークショップも、その重要な機会だと位置づけています。

ここで、実際に「AND WOOL」のワークショップに参加された方にお話をお伺いすることができましたので、そちらをご紹介したいと思います。

*参加者の声*

Q.ワークショップに参加されたきっかけは、どんなことだったのですか?

出かけたイベント先でワークショップが開催されていて、たまたま飛び入りでの参加が可能な状況だったので、参加させていただきました。かねてから「手編み機」には興味があって体験してみたかったということもありますが、「AND WOOL」で扱っている素材の良さを知っていたので、参加してみたいと思いました。

Q.ワークショップに実際に参加してみて、いかがでしたか?

私は自分用にストールを編みました。仕上げ加工のすばらしさに感嘆しましたし、肌触りなど使用感は申し分ありません。

Q.「AND WOOL」のストール(その他のニット製品)のいいところはどんなところでしょうか?

素材の質の高さだと思います。そして、その良さを最大限に引き出す編立、加工がされていると思います。

実際にワークショップで編まれたストールの写真もご提供いただきました。写真からでも、その柔らかさや上質な感じが伝わりますよね。飛び込みのワークショップでこんなものが作れてしまうなんて……すごいですね!

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■予想しなかったところまで広がった「幸せ」

「AND WOOL」の活動を広げるために、情報発信をしたりコンテンツを制作して配信したり、全国でワークショップを開催したり、積極的に動いている村松さんですが、ここへきてようやく自分たちが思い描いていたことが形になり始めたと仰っています。

編み仲間を集め、職人を育てる活動をして、少しずつ広げてきたこのプロジェクトが、ようやく形になってきたなと思っています。自分の中では、学生時代から構想があったので、形になるまで予想よりもだいぶ時間がかかってしまった感じです、もっと早くできているはずだったので(笑)

そして実は、村松さんの予想を超えて、思わぬ方向に広がりを見せていることもあるのだそうです。

私たちが全国で開催しているワークショップでは、リピーターの方が非常に多いんです。そしてそのリピーターの方の中に多いのが、2回目、3回目と参加されるときには、自分用のものではなく「ギフト」として誰かにプレゼントするものを編まれる方です。1回目はまず自分用を、2回目に参加するときにはお母さんにプレゼントするためのもの、といった感じです。

確かに、非常に上質な製品を手作りで作ることができるというのは、大切な人への「ギフト」にはとてもいいかもしれません。村松さんは「関わる人みんなが幸せになる」というコンセプトが、自分たちの予想を超えてさらに広がっていることが、とてもうれしいと仰っていました。

実際に「AND WOOL」のワークショップに参加して編まれたストールを、ギフトとして送ったという方に、お話を伺うことができましたので、ご紹介させていただきます。

*お客様の声*

Q.どなたへのプレゼントとして編まれたのですか?

母に誕生日のプレゼントとして送りました。

Q.プレゼントとして「AND WOOL」のストールを選んだ理由はなんですか?

一度、「手編み機」を使って編んでみたくて、ワークショップでは2枚分申し込みをしていました。サンプルがとても手触りが良くやわらかでしたので、誕生日の近い母にプレゼントしよう!と思いました。

Q.プレゼントを受け取られた方の反応は、どうでしたか?

「軽くてとても暖か!」と言っていました!

Q.「AND WOOL」の製品や素材のいいところは、どんなところでしょうか?

今回は大判を編みましたが、体がすっぽりおおわれますし、ひざ掛けにもよく、そして軽く暖かいところがとても良いと思います。

こちらが実際に編まれたというストールのお写真です。写真からもやわらかい質感が伝わってきますね。

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さらにここで、「AND WOOL」の糸を使って自分で編んだものをギフトとしてプレゼントした、という方にもお話をお伺いすることができましたので、ご紹介させていただきます。

*お客様の声*

Q.どなたへのプレゼントとして編まれたのですか?

京都に住む姉が遊びに来たので、サプライズで誕生日のプレゼントとして。それから、6月末で退社したお世話になった3人の女性にお礼として。

Q.なぜ「AND WOOL」の糸で編んだものをプレゼントしようと思ったのですか?

夏の(編み物の)素材としてリネンを探している中で、「AND WOOL」さんを知りました。素材や色が良かったこともありますが、私も福島県相馬市で、きちんとした編物製品を作って販売するという仮設住宅の支援活動をしていたので、「AND WOOL」さんの静岡での活動に深く感銘を受けて糸を購入した、ということも理由の1つでした。

Q.プレゼントを受け取られた方の反応は、どうでしたか?

機械編み(手編み機による製作)なのですが、一部手編みで仕上げていることもあり、風合いがいいと。早速使っているとお知らせいただきました。

Q.「AND WOOL」の製品や素材のいいところは、どんなところでしょうか?

リネンの素材、色がいいと思います。それからやはり、手編み機による製作がいいと思います。手軽に短時間で作品が出来上がる魅力と、手編み機で編んだ製品は仕上げが手作業になりますから、手作りの風合いがあります。既製品にはない、手編み機による製品の良さをたくさんの方に知ってもらえるといいなと私も思います。

ちなみに、実際に編まれたというストールはこちらです。とても繊細な仕上がりですね!

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村松さんは、ワークショップを開催することで寄せられるお客様からの直接の感想を聞いて、こんなことを感じていらっしゃるそうです。

編んでくださった方も、ギフトで受け取ってくださった方も喜んでくださるなんて、うれしすぎる。。。(笑)編むのが好きな方は「想いを伝えたい」という方が多いような気がするので、そのお手伝いができているとしたら、草の根活動で日本中を回っている甲斐があります!今年もできるだけ開催できるように頑張ります!!

村松さんが思いを込めたニット製品が、村松さんの思いを超えてさらに広がっていくことを期待したいなと思いました。

(記者:カミュ)


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