ホットマン_坂本

「タオルを通してお客様を笑顔に」創業150年の老舗 ホットマン株式会社 社長 坂本将之さん


今回は創業150年、一貫生産、製販一貫という独自の仕組みと製法に更なる磨きを掛け続けるタオル専門店のホットマン株式会社社長を30代の若
さで引き継いだ坂本さんにお話を伺いました。

プロフィール
1976年、岡山県生まれ
1999年3月、信州大学繊維学部感性工学科卒業
同4月、梅花紡織株式会社(現ホットマン株式会社)入社、タオル製織部門に配属
その後、川越工場(染色)、ISO事務局、生産課課長等を経験
2010年、本社工場長
2012年、研究開発室長
2014年、商品部長
2015年4月から現職
座右の名:我以外皆我師


お客様、地域、そして従業員に貢献したい。

記者:坂本さんは未来にどんなビジョンをお持ちですか?

坂本:「お客様の快適で心豊かな生活に貢献する」というホットマンの経営理念を追求して、当社の商品やサービスを通して「幸せを感じて笑顔になる方」を増やしていきたいで
す。
そして同時に、社員一人ひとりが自分の仕事に誇りや喜びを持って取り組める会社でありたいですね。
また、鎌倉時代から続くとも言われる青梅の地場産業である繊維産業の歴史も伝えていきたいです。
 

社員のモチベーションを上げること

記者:そのために日々実践されていることは何ですか?

坂本:まずは全社員に会社の理念を徹底して浸透させることです。
自分達が何のために存在するのか、何のために仕事をするのかを表しているのが理念ですから、それを理解した上で取り組むことが重要です。
そして、自分達の仕事の先にお客様の笑顔があることを実感することが出来ればモチベーションに繋がると思っています。
そのためには理念と想いを伝え続けることですね。
全国にお店もあり一同に集まることはなかなか難しいので、出来るだけお店や製造現場に顔を出して意見を聴いたり、想いを伝えたりするようにしています。

記者:坂本さんのような方が現場の声を聴いてくれることは現場としても嬉しいのではないでしょうか。

坂本:そうであってくれれば私も嬉しいです。
私達は製造から販売まで自社で行う製販一貫という特別なしくみを持っているので、相互のコミュニケーションを取れるのも強みです。
これを生かしてセール時期などは製造現場の社員にも店頭に立ってもらったり、販売の社員研修では工場見学をしたりしてお互いの仕事を知る機会も設けています。
色々な立場を経験したり話を聞いたりすることで、自分達の商品やサービスに自信を持つことが出来ていると思います。

記者:坂本さんは、元々は現場にいたところから、現場責任者、そして社長になる時にどんな心の変化がありましたか?

坂本:私は本当に現場が好きだったので、正直もっと現場を経験していたいという気持ちはありました。
ただ、一人よがりに自分がやりたいことを主張するのは違いますよね。
会社の人事とは、理念を追求していく上でプラスになると判断されたからこそ出されるものですから、その立場での自分の役割を認識し、それを全うしようと思うようになりました。

もちろん、立場が変わる毎に数字への責任も大きくなりますが、それを達成するためにも自分と同じように仕事に楽しさを感じられる人を育てようと思いました。
それが結果として数字にも繋がっていきます。
また、人生の中で働く時間というのは非常に長いものなので、その時間が楽しくなければ人生そのものも楽しくないと思います。
しかし、楽しい仕事が勝手に降ってくるとは限りません。
だから、私は新入社員にも「楽しい仕事を待つのではなく、自分で仕事を楽しくするんだよ。」と言っています。
仕事を楽しく出来るかどうかは自分次第です。
そして、仕事を楽しくするための一番の近道は勉強することだと思います。
学んでいくことでもっと知りたくなり、それをもっと生かしたくなっていきます。

仕事に楽しく前向きに取り組むことが出来れば、必ず結果も付いてきます。
今は社長という立場として、全社員が自分の仕事に自信と誇りを持ち、楽しく仕事に取り組めるようにすることが私の役目だと思います。

記者:坂本さんは常に偏らない視点をお持ちだと感じたのですが、それはどういうことがきっかけでそのようになったのですか?

本から他の人の経験を獲得する

坂本:きっかけではないですが、本が好きだったことは影響していると思います。
誰しも「経験」出来ることには限りがあります。
例えば60歳にならなければ60歳分の「経験」は出来ないように、実生活だけではどんなに頑張っても「経験」した以上の「経験」は手に入りません。
ところが、本を読むことで、その人がしてきた「経験」を取り入れることが出来るんです。
そして、様々な考え方、発想に触れることが出来ます。
そういった意味ではいろんな視点を持つことに繋がったかもしれないですね。

記者:最後になりますが、今までの人生を振り返ってみた時にある一番大きな気づきは何ですか?

坂本:“まわりの幸せが自分の幸せに繋がる”ということですね。
私達のタオルを使って笑顔になってくださるお客様が一人でも増えればこんな嬉しいことはないですし、それを提供できる社員が笑顔になっていればこれほど嬉しいことはありません。
みんなが笑顔になれれば、私も幸せに感じます。

記者:なるほど、そこがベースでお客さんや社員さんに対する想いが始まっているのですね。

坂本:そうですね、それが私の在り方のベースにありますね。
しかし、私は社長という立場として現実で結果を出さなければいけません。
売上を上げて利益を出していかなければ会社は存続できませんし、それが出来なければ私達の商品やサービスに価値を感じて下さっているお客様にお届けも出来なくなってしまいます。
ただ、売上とは、私達の商品、サービスへの評価、結果として表れるものですから、売るための仕事ではなく、「お客様の快適で心豊かな生活に貢献する」ことを追及し、結果に繋げていくことが私の仕事だと思います。

記者:お客様、地域、そして社員に向き合い続ける坂本さんの一貫した姿勢が素晴らしいと思いました。貴重なお時間とお話しありがとうございました。

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以下ホットマン株式会社HPになります。

【編集後記】
今回取材を担当した森本です。常に利他の精神で生きてこられた生き様を感じました。また、社員に対する社長としての責任感や温かい想いを感じるとても良いお話を伺うことができました。
坂本さんとホットマン株式会社の更なる発展を心から願っています。
ありがとうございました。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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