お嬢さん、お気を付けなさい

 ネットで仲良くさせてもらっている女子大生や、大好きな作家さんのツイートを見ていて、余計なことかもしれないけれど、ちょっと心配している。

 私もよくやってしまうんだけど、「今、どこどこでごはん食べてます」ってつぶやく。
「わー、美味しそう!」、「いいなぁ!」って、つぶやきを見て思うのが至ってふつうなのだと思うけれど、中には別の思いで見ている人もいるかもしれない。

「今どこどこに行けば確実に居るんだ」

 去年の夏、私は勤務先の最寄り駅で男の人に声をかけられた。
「ちょこさんですよね?」

 リアルで私のことを「ちょこ」と呼ぶ人はほとんどいない。創作関係で知り合った人でリアルにつながりのある人が少ないし、私が創作をしていることを知っている人もすごく少ない。
 このとき声をかけてきた男性、三十代後半から四十代初めくらいの、ニヤニヤしたおじさんには全く見覚えがなかった。

「ツイッター見てます」
 男性はそう言ってただニヤニヤして立っている。怖くなって私は小走りでその場を離れた。

 有名人ではないし、人気があるわけでもない。思わず声をかけたくなるような美人でもない。それでも声をかけられる。
 顔写真を公開しているのだから、誰かが私だと気が付いても不思議はないのだけれど。。。

 可愛い女子大生だったらどうだろう。若くて魅力的な文章を書く女性だったらどうだろう。
 声をかけたくなるんじゃなかろうか。
 私だって、ちょっといいなって思っている相手が目の前に現れたら、声をかけたくなる。

 でも、声をかけられるのって、ちょっと怖くないだろうか。
 声をかけてきた相手は誰だろう?
 仲良くしている人?
 相手が何らかのやり取りのある人だとは限らない。

 私に声をかけてきた人は名乗らなかった。
 見覚えもない、名乗りもしない人がただニヤニヤと立っている。しかも私は一方的に知られている。
 実際に声をかけられたときはこんな風に冷静に考えたりはできず、ただ怖いって思った。

 声をかけられるの、たぶん怖いと思う。

 脅かすつもりじゃないけれど、好意がすべていいものじゃないという例もある。
 以前、私はストーキングされた。
 最初は職場に毎日のように来られ、私が応じないと、いつの間にか帰り道を尾行されたようで家にも来るように。。。
 当時住んでいたマンションは外階段を使って誰でも中に入れる仕組みだったので、出かけようとして玄関ドアを開けるとそこに花束が置いてあることが何度も続き、一緒に働いていた女のコの家に数日避難したり。

 私が受けたのではないけれど、「おまえが行きそうなライブはぜんぶ張るからな!」って嫌がらせのつぶやきをしている人がいるのを見かけたりもしました。

 有名じゃなくても、人気者じゃなくても、顔を出している人は一度ちょっと考えてみて欲しいと思います。
 止めなさいって言うわけじゃないの。
 ただ一度考えて、もしものときには逃げる必要があるって心構えや、対策できることなんかを、ちょっとでいいから考えておいて欲しいと思いました。
 余計なおせっかいだったらゴメンナサイ。


ここから先は

241字

¥ 100

もしよかったら、読んだよってコメントや、作品紹介のシェアをお願いできると嬉しいです。応援してくださって、ありがとうございます!