アイヲタは死ぬことと見つけたり

昨夜は新宿ロフトプラスワンでBiSのトークイベントが開催された。

BiSは7月8日、つまりあと3ヶ月で解散する。そんな今、このトークイベントにBiSのオリジナル・メンバーのナカヤマユキコとヨコヤマリナも参加するというので、気分はノスタルジック、というか懐古厨モードだった。

そんなわけで、BiSのライヴを4回目から見ている僕は勝手にこのイベントのTwitterハッシュタグを「 #古参研究員なりの武道館 」と決めてTwitterに宣言し、みんなこれを使ってくれた。どう考えても頭のおかしいヲタの言動なのに付き合ってくれて恐縮です。

そんなわけで古参研究員(研究員とはBiSのファンの意味だ)が座敷席に集まり大声でガヤってウザがられる、という状態までは、まぁある種の予定調和だった。

その流れが変わって、会場全体が荒れ出したのが終盤。渡辺淳之介マネージャーが元メンバーに解散ライヴへの出演を依頼したのが決定打だった。そこからは古参新参関係なく、怒声が会場のあちこちから起きるという状態になった。

そして最後に元メンバーとBiSが2曲歌い踊ったのだが、ヲタの怒声にメンバーが怒鳴り返し、ヲタがステージに乱入してメンバーが叩く蹴るなどして追い返す、という破滅的な光景に。この動画はそのライヴの1曲だ。

このイベントでBiSのライヴの撮影とアップロードが黙認とされたので僕は撮影に専念していたが、このライヴはとても気に入っている。メンバーもヲタもみんな精神に異常をきたしたかのようだ。感情を剥き出しにしてステージが混乱している。

人の感情が軋轢の果てに決壊してぶつかり合っている。こんなライヴはBiSでしか見られない。BiSのライヴが終了すると、僕はその場ですぐ動画をYouTubeへアップロードした。

さてこの動画だ。02:55で、座席席からフロア中央へダイヴしているヲタがいる。完全に狂人の所業だ。彼はメガネを壊した。明日の仕事に差し支えると終演後に言っていたが、壊れているのは彼の精神のほうだ。僕の目には彼が死にたがっているようにさえ見えた。

アイヲタは死に場所を求める。彼にはそのとき、死に場所が見えたからこそ数メートルも空中を飛んだのだ。新宿ロフトプラスワンで。

さまざまなものが崩壊していた。破滅していた。壊滅していた。これはそういうライヴの映像だ。何度も見返している。