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LINE FRIENDS vs KAKAO FRIENDS(売上/オフライン/オンライン/アーティストコラボ)

クオン中国支社代表の佐藤です。中国で日本や韓国のキャラクターを展開したり、逆に中国のキャラクターを日本や韓国に展開したりしています。

今回はLINE FRIENDSとKAKAO FRIENDSを比較しました。

地図

LINEとKAKAOはチャットアプリだけでなく、キャラクター事業でもライバル関係にあります。
ソウル・カンナムにあるLINE FRIENDSとKAKAO FRIENDSのフラッグシップストアは、徒歩30秒の距離に並んで開店しています。

LINE FRIENDSとは?

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「LINE FRIENDS」は、2011年にLINEスタンプのキャラクターとして誕生し、その後スタンプとしての展開のみならずグッズ販売なども行なっています。
2015年1月にはLINE FRIENDSの展開を行う独立法人「LINE Friends Japan株式会社」を設立しています。

オリジナルキャラクターである「BROWN & FRIENDS」をはじめ、BTSとのコラボにより誕生した「BT21」、中国のアイドル王源とタッグを組み生まれた「ROY6」など、新たに生み出したキャラクターもミレニアル世代から支持されています。

KAKAO FRIENDSとは?

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「KAKAO FRIENDS」は、韓国最大のチャットアプリKAKAO TALKのスタンプとして2012年に誕生しました。
LINE FRIENDSより1年遅れてのデビューになります。

2015年5月にKAKAO FRIENDSの展開を行う独立法人が設立され、その後2018年7月にKAKAO FRIENDSとKAKAOの子会社JOHとの合併により新会社「KAKAO IX」として新たなスタートを切りました。

2018年下半期より本格的な海外進出に乗り出しており、日本、中国、米国、ヨーロッパなど現地の特性を考慮した世界化戦略のもと、グローバル企業として羽ばたくための準備に取り組んでいると発表しています。

売上比較

▶︎LINE FRIENDS

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LINE株式会社2019年12月期決算短信によると、2019年度のLINE FRIENDSの売上は191.89億円です。2018年度の売上が195.79億円だったため、微減していることがわかります。

▶︎KAKAO FRIENDS

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Kakao Corp. Q4 2019 Kakao Earnings Fact Sheetによると、KAKAO FRIENDSの売上は「IP Business and Others」に含まれおり、 2019年度は3,753.11億ウォン(約337億円)
2018年度の売上は2,094.61億ウォン(約188億円)だったため、2018年度から2019年度にかけて約80%の成長を遂げています。

IP  Business "and Others"と記載があり、KAKAO FRIENDS単体での売上は不明であるためLINE FRIENDSとの比較はできませんが、KAKAOのIP事業が順調に成長していることは明らかです。

オフライン店舗

▶︎LINE FRIENDS

東京、ソウル、ニューヨーク、上海、北京、香港などグローバルに展開しています。
2015年に独立法人として設立されてから5年の間に、19ヵ国(地区)で160あまりの店舗を開店しました。 

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2018年3月には日本での初店舗「LINE FRIENDS STORE 原宿」がオープンされ、初日には15,000人が来店し、年間来店者数は140万人を超えています

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2019年4月、上海では「サリー」の誕生日イベント「I AM SALLY」が開催され、東方明珠塔(東方テレビタワー)が黄色にライトアップされました。上海のランドマークが他国のキャラクターのイベントに合わせてライトアップされるのは異例の出来事です。

 2019年6月にはアメリカ・ロサンゼルスにLINE FRIENDS STOREがオープンされ、オープン後の初の週末には18,000人が訪れました。

▶︎KAKAO FRIENDS
KAKAO FRIENDSはLINE FRIENDSと違い、海外進出よりも韓国国内の事業をメインに展開していました。
海外進出に注力し始めたのはここ2、3年のことです。 

2020年5月時点でKAKAO FRIENDS STOREは韓国に34店舗、日本では2店舗展開しています。 

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2018年12月に海外初店舗として、東京表参道に「APEACH OMOTESANDO」をオープンしました。開店前から約2,000人が駆けつけ、長い行列ができました。

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日本での認知度向上のため、KAKAO FRIENDSはTSUTAYAやWEGOなど日本のブランドとのコラボレーションを行い、大阪・札幌・福岡などでも事業展開を進めました。 

2019年3月には上海でもポップアップストアがオープンされています。

オンラインショップ

オンラインで販売されているグッズの種類はLINE FRIENDSもKAKAO FRIENDSもさほど変わりませんが、KAKAO FRIENDSの方が季節などのテーマに沿った特集を積極的に行なっている印象です。

▶︎LINE FRIENDS

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商品.001

▶︎KAKAO FRIENDS

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商品.002

アーティストとのコラボ

▶︎LINE FRIENDS

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「BT21」は、2017年に誕生したBTS(防弾少年団)プロデュースのキャラクターです。

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BT21のLINEスタンプは世界累計2,800万ダウンロードを記録、Twitterでは約630万フォロワーを抱えています。
また、2018年12月ごろに注目を浴びた3Dアバターアプリ「ZEPETO」とコラボし、BT21とツーショットが撮れるキャンペーンも大成功しました。

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「ROY6」は、2018年に中国人気グループTFBOYSの「王源」とのコラボによって誕生したキャラクターです。 

中国本土では規制によりLINEを利用することができないため、LINEスタンプを通じてLINE FRIENDSを中国に展開するのは不可能でしたが、このコラボレーションによってLINE FRIENDSの認知度が一気に向上しました。 

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2018年11月11日(「独身の日」、中国全土で大規模セールイベントが開かれる日)に、中国・重慶市にあるLINE FRIENDS STOREでROY6の商品の発売を開始しました。
18日に王源本人が来店するというニュースが流れたため、当日は1万人を超えるファンが押し寄せました。来店人数が大幅に想定を超えたため、セキュリティのリスクを鑑み本人の登場はなくなりました。

また、ROY6をテーマに書き下ろされた曲「WILL YOU」はリリース当日に中国配信ランキングで1位になりました。

▶︎KAKAO FRIENDS

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KAKAO FRIENDSは2019年10月に韓国の人気アイドルグループ「TWICE」とのコラボプロジェクト「KAKAO FRIENDS TWICE EDITION」を発表しました。TWICEのメンバーが考案したKAKAO FRIENDSグッズが販売されます。
こちらは新規でキャラクターを開発するわけではなく、あくまでKAKAO FRIENDSグッズでのコラボレーションとなりました。

それぞれのユニークな特徴

▶︎LINE FRIENDS

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LINE FRIENDSの特徴はグッズのカスタマイズです。
LINE FRIENDSはBT21の展開をきっかけに、「LINE FRIENDS CREATOR」というプロジェクトを打ち出し、お客さんがオンラインで自分だけのオリジナルグッズ作ることができるサービスの提供を開始しました。

LINE FRIENDS CREATOR公開日は25万人を超えるユーザーが利用し、今は服、トートバッグやスマートフォンケースなどを扱っています。

▶︎KAKAO FRIENDS

KAKAO FRIENDSはご当地グッズで差別化をしています。
2018年9月からご当地グッズの取り組みを始め、2019年上半期には月間平均売上が2倍にまで増加しました。

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例えば、韓服と学生帽が特徴の「全州儒生フレンズ」を、全州市(チョンジュ市・ソウルから南に約230km)にあるKAKAO FRIENDS STORE限定で発売しました。
グッズの種類はぬいぐるみをメインに、今人気のエアーポッツケースやキーホルダー、コップ、メモ帖などの文房具、さらにマウスパッドや手鏡など豊富です。

最後に

そもそも◯◯ FRIENDSという形で、キャラクターをグループとして売り出したことが画期的でした。
思えばアイドルも同じことが言えますね。個人で活動するアイドルが一般的だったところから、グループとしての売り出しに変化していきました。

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また、LINE FRIENDSとNetflixが提携し、3Dアニメーションを制作することが発表されています。こちらも非常に楽しみです。

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