高橋希望さん

ブタは3回、生きるらしい。

1回目は、リアルに生きているとき。
2回目は、肉になるとき。
3回目は、人間が食べて、その人の血肉になったとき。

「あの人が作ったコメ」「あの人が作った野菜」
がより美味しく感じるように、
「あの人が作った肉」
も、すごく美味しい。

養豚家の高橋希望さんは、
「有難豚(ありがとん)」というブランド豚を育てている。
宮城県名取市、に養豚場はあった。
震災でなくなった。
でも、雌豚6頭が奇跡的に生き残った。
その母豚から生まれ、育った豚たちを、
「有難豚」。
震災以前からのブランド名だが、
震災後は、恩返しの意味を込めて、
有難豚を育てている。

豚を育てることにかんしては、
アニマルウェルフェア
を実行している。
家畜は農産物ではなく、
感受性のある生命存在である、と。

大隈塾のゲスト講師として講義してくれて、
受講生から、
「いつも高い肉を食べないといけないですか?」
という質問が来た。

希望さん自身、スーパーでもお肉を買うし、
ファストフードもときどき食べる。
「でも、高い肉=いい肉、ではないです。
いいお肉は、見通せる肉、です」

トレーサビリティであり、
ということは、自身を持って育てている農家の肉である。
「あの人が作ったお肉」
は、すごく美味しい。