あるもの活かし

ないものねだりから、あるもの活かし

秋学期最初の大隈塾だった。
ゲスト講師は、Oka-Bizの秋元祥治さん。
ういちゃんのお父さん、と言われる日も近いかもしれない。
『しょうがっこうがだいすき』 6万部売れてるらしい)

Oka-Biz(岡崎ビジネスセンター)では、
中小零細個人商店のために経営相談を受け付けている。
無料で1時間。

相談に来る経営者はびっくりする。
ダメ出し、ここを直せ、を期待していたら、
すばらしい、そこを伸ばそう、と返事がくる。

短期納品で難しい注文ばかりくる板金工場には、
どんな難工程でも72時間以内に試作品をつくる、
というサービスをつくって大成功。

老婆二人の町の写真館には、
生前遺影のサービスをつくった。
腕が確かな同年代に撮られるのは、
撮られる方も心に何かが得られるのだろう。
遠路はるばる撮りにくるほどの大盛況。

秋元さんは、
あるもの探しをする。
いいとこ探しをする。
弱みを強みに変えるアドバイスをする。

だからといって、
コンサル会社に働いたことはなく、
企業診断士でもない。

「うだうだ言って何もしない人たちより、
うだうら言われても何かしている人たちのほうが、
ずっとずっと偉い」

学生時代に教員からいわれた言葉だった。
その言葉を思い出したのは、
ふるさと岐阜に帰省したとき。
老舗のデパートがなくなっていた。
商店街の人たちは、
「駐車場がなかった」「アーケードが古かった」
「市役所がなんもしなかった」
他人事だった、自分たちのことなのに。
そのとき、
「うだうだ言って何もしない人たち」
を思い出し、
このまま何もしなければ、
自分も「うだうだ言って」の人たちになる。
どうぜなら、「うだうだ言われても」になろう。
と、町おこしを始めた。

あるもの探しをする。
いいとこ探しをする。

ないものねだりより、
あるものを活かそう。