手羽先

名古屋めし「手羽先」と佐世保バーガー

名古屋の手羽先を食べた。
手羽先は何度も食べたことはあるが、
名古屋で名古屋めしとしての手羽先は初めて。

風来坊に連れて行ってくれた大学の先輩いわく、
子どものころは食べた記憶がない。
大学を卒業して名古屋に帰り、
会社の近くの風来坊に行って初めて食べて、
その衝撃はすごかった、
と。

ホントかな、と思って調べてみると、
風来坊の創業は1963年、だけど、
手羽先がいつできたのかは不明。
普通の居酒屋をやっていて、
唐揚げにタレを付けて客に出したら大ウケ。
じゃあ、というので、若鶏の半身を油で揚げて、
タレをからませた「ターザン焼き」をつくって、
それが主力商品となった。

「ある日」のこと。創業者はいつものように、
調理場に山のように積まれていた手羽先を見てピンときた。
それまでスープの材料としてしか使われていなかった手羽先。
これを唐揚げにして……

ということで「手羽先」が始まったらしい。
http://www.furaibou.com/tanzyo.htm

世界の山ちゃんの創業が1981年。
だから、今年還暦の先輩が
「子どものころは見たことがなかった」
というのは、ホントのことに近い。

佐世保出身のわたしは、佐世保バーガーを知らなかった。
あれは、街なかの外人バーで、
米兵相手に出していたのがそもそもで、
外人バーがあった飲み屋街一帯から外に出ていなかった。
2000年代になって、郷土料理としてつくりあげられったもので、
たぶん、佐世保バーガーを食べて育った佐世保の人は、
まだそれほど多くはないはず。

わたしが初めて食べたハンバーガーは、
「らりるれろ」というローカルチェーン店が
それこそ佐世保バーガーの1/5ぐらいのボリュームの
ハンバーガーを売っていて、
それを食べたときの衝撃はすごかった。
たぶん、肉を食べているというショック(ひき肉だけど)、
ピクルスという未知なものがあって、
その酢の物がケチャップ味に混ざって、
得体のしれない初感覚がそうさせたんじゃないかと思うけど、
ともかくハンバーガーといえば
佐世保バーガーではなくて、「らりるれろ」だった。

だから、名古屋の先輩が
「子どものころにはなかった」
といったのは、実はオトナは食べてたんだけど……
ってことじゃないのかな、と疑ってしまった、
ということ。

先輩、すいませんでした。