「全員一律」ではなく、「個別」に
そのむかし、「プロップマガジン」というラグビーコラムを書いていた。
サントリーのラグビー部「サンゴリアス」の公式websiteで。
ラグビーっていうスポーツ知ってますか?
ラグビーの試合、スタジアムで見たことありますか?
学校のグラウンドとか、河川敷とかでは?
テレビでは見たことありますか?
ラグビー、やったことありますか?
ラグビーのルール、3つぐらい知ってますか?
ラグビーのポジション、3つぐらい知ってますか?
その中に、プロップが入ってますか?
プロップの人と話をしたことがありますか?
ご子息やご令嬢にプロップになってもらいたいですか?
上の質問は難易度だ次第に上がっていくものにしてみた。
ラグビーにはスクラムという儀式みたいなのがあって、
8人対8人の押し比べで、
1チーム15人、その過半数が参加するのに、
スクラムのことをよくわかっている人が少ない、という。
あ〜押してるなあ、あ〜押されてるなあ、
以上のことは観てる方は関心がないんだけど、
押してる本人たちは必死。
とくに、一番前に並んでいる3人、
前の敵チームの8人分の力、後ろの味方5人分のパワーがかかるから、
大変なんてもんじゃない。
その3人を、プロップ、という(簡単にいうと)。
大変なんてもんじゃないポジションが大好きで、
スクラム組むことを生きがいとしている人たちがプロップ。
意外なことに、話をしたり、体験談を聞いたりすると、
すごく面白い人たちがけっこうな確率でいるのがプロップ。
そういう人たちの生態を知ってもらいたい、と思って書いていたのが
「プロップマガジン」。
昨日、久々にそのプロップ感がぷんぷんしたイベントに参加した。
「日本ラグビーについて展望を語る会」
食べ飲み放題のトークショーで、
ゲストは、
沢木啓介(前サンゴリアス監督)
元吉和中(元サンゴリアス)
山賀敦之(セコムラガッツ副部長)
MC、大西将太郎(元日本代表)
わちゅーとやまがは、期待通りの盛り上げ役を演じてくれて、
ホントにプロップって愛すべき種類。
啓介がしゃべっているときに、突然やまがはがばっと身体を動かし、
卓上に置いていたカバンをがさごそしだし、
何をするのかと思えば、ノートを引っ張り出し、
シャープペンシルをカチャカチャ、
メモを取り始めた。
大西将太郎とわちゅーが突っ込んで、会場爆笑。
人材育成の話題になって、
沢木啓介は、
「チームにビジョンは必要。どんなチームを目指すのか、ビジョンを決めて、それをみんなで共有する、誇りを持って実行する。けど……」
「全員一律なトレーニングはしない。選手一人ひとりの能力と個性に合わせたトレーニングをする」
「だから、選手のことをよく知らないといけない。そのためにはコミュニケーション」
と。
チーム全員でやるトレーニングのあと、個人のトレーニング。
クラス全体での講義、グループ全体での研修でも、
やっぱりそのあと、個人のトレーニングが必要だ、ということだ。
そのためにはコミュニケーション。
コミュニケーションの総量を増やさないといけない。
なるほど!
やまが、ここはメモしてなかった。
さすが。